专利摘要:
多孔質支持体膜上での非極性(例えば有機)相中のモノマーと極性(例えば水性)相中のモノマーとの界面重合によって製造される逆浸透膜。多孔質支持体膜上で、(a)1,3−ジアミノベンゼンを含む第1の溶液、及び(b)塩化トリメソイルを含む第2の溶液を接触させ、ここで溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は溶液を最初に接触させる際にナノ粒子を含み、そして高透過性RO膜を回収することを含む高透過性RO膜を製造するための界面重合方法を開示する。
公开号:JP2011516264A
申请号:JP2011505186
申请日:2009-04-15
公开日:2011-05-26
发明作者:カース,クリストファー・ジェームズ;ケーラー,ジェフリー・アラン;チョウ,メイジュアン;バーク,ロバート・レオン;ホームバーグ,ブレット・アンダーソン
申请人:ナノエイチツーオー・インコーポレーテッド;
IPC主号:B01D71-56
专利说明:

[0001] 本出願は、2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,262;2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,234;2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,237;2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,247;2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,249;2008年4月15日出願の米国仮出願61/045,252;2008年7月10日出願の米国仮出願61/079,794;2008年8月13日出願の米国仮出願61/088,666;2008年10月13日出願の米国仮出願61/104,905;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,341;2008年12月12日出願の米国仮出願61/112,342;2008年12月12日出願の米国仮出願61/12,343;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,344;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,345;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,346;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,347;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,348;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,350;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,351;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,352;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,354;2008年12月12日出願の米国仮出願61/122,355;2008年12月13日出願の米国仮出願61/122,357;2008年12月13日出願の米国仮出願61/122,358;2009年2月27日出願の米国仮出願61/156,388;2009年2月27日出願の米国仮出願61/156,394;及び2009年3月27日出願の米国仮出願61/164,031;(これらは全て参照としてその全部を包含する)の利益を主張する。]
[0002] [0001]本発明は、ナノ粒子及び/又は他の添加剤を含む薄膜複合体又はTFC膜に関し、より詳しくは、例えば水を精製するための逆浸透又は順浸透のために用いるかかる膜に関する。]
背景技術

[0003] [0002]多孔質支持体膜上における非極性(例えば有機)相中のモノマーと極性(例えば水性)相中のモノマーとの界面重合によって製造される逆浸透膜は、TFC膜として公知であり、流束及び十分な除去特性が必要な分野、例えば水の精製において用いられている。除去特性を減少させることなく流束を増加させるために種々の材料がTFC膜に加えられており、ある程度の成功を得ている。かかる膜はまたファウリングを起こし、例えば精製する汽水又は海水からの汚染物質がTFC膜の識別層の表面上に蓄積されると流束が減少する。]
[0004] [0003]除去特性を保持又は改良しながら流束を更に向上させ、ファウリングの影響を阻止する技術、並びにかかる改良されたTFC膜の商業的な処理を改良する技術が必要である。]
図面の簡単な説明

[0005] [0004]図1は、ナノ粒子16を水性相14中に存在させる、TFC膜の製造方法における一工程における層を示すブロック図である。
[0005]図2は、ナノ粒子16を有機相18中に存在させる、TFC膜の製造方法における一工程における層を示すブロック図である。
[0006]図3は、ナノ粒子16を水性相14及び有機相18の両方の中に存在させる、TFC膜の製造方法における一工程における層を示すブロック図である。
[0007]図4は、ナノ粒子16を多孔質支持体膜12と水性相14との間の水溶液15中に存在させる、TFC膜の製造方法における一工程における層を示すブロック図である。
[0008]図5は、逆浸透プロセスにおける、層識別層24中にナノ粒子16を有するTFC膜の使用を示すブロック図である。
[0009]図6は、逆浸透プロセスにおける、識別層24と多孔質支持体膜12との間にナノ粒子16を有するTFC膜の使用を示すブロック図である。
[00010]図7は、薄膜ポリマーマトリクス中のナノ粒子16を示す識別層24のTEM顕微鏡写真である。
[00011]図8は、支持体膜24上の識別層24中にナノ粒子16を含むRO膜10の断面図である。
[00012]図9は、支持体膜24上の識別層24中にナノ粒子16を含むRO膜10の断面図である。
[00013]図10は、水性相14中に可溶性金属イオンを含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00014]図11は、有機相18中に可溶性金属イオンを含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00015]図12は、逆浸透中の、識別層24内にナノ粒子及び可溶性金属イオン16を含むRO膜10の概略図である。
[00016]図13は、水性相14中にナノ粒子及び可溶性金属イオン16を含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00017]図14は、逆浸透中の、識別層24内にナノ粒子及び可溶性金属イオン16を含むRO膜10の概略図である。
[00018]図15は、全体的又は部分的に多孔質支持体膜12内のナノ粒子16又は他のキャリアから放出される可溶性金属イオン17を水性相14中に含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00019]図16は、キャスト溶液13がガラスプレート15上の布帛20上に被覆されている、製造中の支持体膜12の概略図である。
[00020]図17は、逆浸透中の、識別層24内に可溶性金属イオン19及び/又は可溶性金属イオン効果19を含むRO膜10の概略図である。
[00021]図18は、モノ加水分解TMCの化学構造である。
[00022]図19は、有機相18中にモノ加水分解TMC16を含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00023]図20は、逆浸透中の、識別層24内にモノ加水分解TMC16を含むRO膜10の概略図である。
[00024]図21は、モノ加水分解TMCの1H−NMRである。
[00025]図22は、有機相18中に分子添加剤16を含む、製造処理中のRO膜10の概略図である。
[00026]図23は、逆浸透中の、識別層24内に分子添加剤16を含むRO膜10の概略図である。
[00027]図24は、塩水を精製するのに用いるRO膜10の概略図である。
[00028]図25は、3種類の異なる膜構造に関するファウリングの結果としての、時間経過に伴う流束の減少した損失の簡単なグラフ図である。
[00029]図26は、モノ加水分解TMCの純度に対する膜性能に関するグラフである。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0006] [00030]一形態においては、増加した流束、除去率、及び抗ファウリング特性を有する複合ナノ複合体TFC膜において、ナノ粒子及び/又はナノチューブを、アルカリ土類金属、モノ加水分解TMC、及び/又は他の分子添加剤と組み合わせて用いることを含む、TFC膜においてナノ粒子を用いるための改良された技術を開発した。]
[0007] [00031]他の形態においては、新規な複合ナノ複合体TFC膜、及びTMCのより有利な濃度及び範囲、TMCに対するMPDの比、並びにモノ加水分解TMCのような添加剤の濃度における偏向点を発見することによって、選択された流束、除去率、及び抗ファウリング特性を有する加工ナノ複合体TFC膜を設計及び製造することが可能である。]
[0008] [00032]更なる形態においては、高い流束、除去率、及び抗ファウリング性のTFC膜を設計及び製造するために、幾つかの新規な添加剤、特にアルカリ土類金属及びモノ加水分解TMCを用いることができる。またこれらの膜は、有利には、TMCの有利な濃度及び範囲、TMCに対するMPDの比、及び添加剤の濃度における偏向点を用いて特定の状況のために最適の特性を与えることができる。]
[0009] [00033]本発明の1つの目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)1,3−ジアミノベンゼンを含む第1の溶液;及び
(b)塩化トリメソイルを含む第2の溶液;
を接触させ、ここで溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含み;そして
高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む、高透過性RO膜を製造するための界面重合方法を提供することである。]
[0010] [00034]多孔質支持体膜上で、
(a)1,3−ジアミノベンゼンを含む第1の溶液;及び
(b)塩化トリメソイルを含む第2の溶液;
を接触させ、ここで溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含み;そして
高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む方法によって製造され、膜表面積の少なくとも20%はナノ粒子から構成される、高透過性逆浸透膜。]
[0011] (a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び
(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;
ここで重合反応中に分子添加剤化合物を溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして
高透過性のRO膜を回収する。]
[0012] 他の目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び
(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;
を接触させ、ここで重合反応中に分子添加剤化合物を(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして
高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む界面重合方法によって製造される高透過性逆浸透膜を提供することである。]
[0013] 本発明の他の目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び
(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;
を接触させ、ここで重合反応中にアルミニウムイオンを溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして
低ファウリング性で高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む、低ファウリング性で高透過性のRO膜を製造するための界面重合方法を提供することである。]
[0014] 本発明の他の目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び
(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;
を接触させることを含み、ここで重合反応中にアルミニウムイオンを溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させる界面重合方法によって製造される低ファウリング性で高透過性のRO膜を提供することである。]
[0015] 本発明の他の目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)メタフェニレンジアミン(MPD)を含む水溶液;及び
(b)塩化トリメソイル(TMC)及び加水分解TMC種を含む有機溶液;
を接触させ;そして
高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む、高透過性RO膜を製造するための界面重合方法を提供することである。]
[0016] 他の目的は、
多孔質支持体膜上で、
(a)メタフェニレンジアミン(MPD)を含む水溶液;及び
(b)塩化トリメソイル(TMC)及び加水分解TMC種を含む有機溶液;
を接触させ;そして
高透過性のRO膜を回収する;
ことを含む界面重合方法によって製造される高透過性逆浸透膜を提供することである。]
[0017] [00035]明確にするために、本開示は以下の複数のセクションに分ける。
セクションA:
・ナノ粒子の分散及び寸法決定:
・膜内でのナノ粒子の性能を向上させるための処理;
・可溶性金属イオンを放出するナノ粒子の選択及び処理;
・膜の性能を向上させるための更なる可溶性金属イオンの添加;及び
・ナノ粒子膜の試験及び実施例;
を含む向上したTFC膜性能のための改良されたナノ粒子。]
[0018] セクションB:種々の組み合わせで用いる以下の添加剤:
1.ナノ粒子;
2.アルカリ土類金属添加剤;
3.ナノチューブ;
4.モノ加水分解TMC(mhTMC);及び/又は
5.他の分子添加剤;
を含む複合TFC膜。]
[0019] セクションB1:種々の組み合わせで用いる以下の添加剤:
1.ナノ粒子;
2.アルカリ土類金属添加剤;
3.ナノチューブ;
4.モノ加水分解TMC(mhTMC);及び/又は
5.他の分子添加剤;
を含む改良されたTFC膜。]
[0020] セクションC:手法;
c1:TMC濃度;
c2:TMC比;
c3:偏向点。]
[0021] セクションD:表I〜XIIは、適当な場合には、上記のセクションA〜Cに含まれない166の実施例のそれぞれに関する以下の情報を与える。
・MPD及びTMCの濃度及び比;
・水性相及び有機相ナノ粒子添加剤;
・水性相及び有機相分子添加剤;
・添加剤を用いない対照膜に対する流束の向上率(%);及び
・流束(GFD)及び塩除去率(%)。]
[0022] セクションE:実施例の膜に関する製造及び試験法。
セクションA:改良されたナノ粒子TFC膜:
[00036]図1(説明を明確にするために一定の縮尺では示していない)を参照すると、多孔質支持体膜12上での界面重合法を用いて逆浸透(RO)膜10を合成する。2つの非混和性溶媒を用いているので、一方の溶媒中のモノマーが他の溶媒中のモノマーと反応する。反応は非常に速く、比較的高い分子量が得られる。] 図1
[0023] [00037]織成又は不織で、ポリマー繊維から構成される補強布帛層20がしばしば用いられる。幾つかの場合においては、布帛層20は、強度を増すために導入されるナノ粒子22を有していてよい。布帛層20は、好ましくは水に対して透過性であり、平坦であり、支持体12又は薄膜識別層24に突き抜ける可能性がある浮遊繊維を有しない。これは、コストを低下させ且つ膜面積を最大にするために薄く、伸びに対して強靱で、高圧下での変形に対して機械的に抵抗性でなければならない。布帛20のポリマー繊維にナノ粒子22を加えることにより、機械的により頑丈な下地が形成され、これによってより薄く、より安価で、及び/又はより強靱な支持体を製造することが可能である。]
[0024] [00038]図1においては、支持体膜12の上表面の上に、その中にナノ粒子16が分散している水性相の層14が示されており、有機相の層18が水性層14と相互作用している。これらの層の間の界面が、重合が起こる場所である。] 図1
[0025] [00039]幾つかの態様においては、ナノ粒子は、アルカリ土類又はアルミニウムイオンのような金属種を放出する能力を与えるように選択することができる。かかる粒子は、水性層14又は有機相の層18のいずれか、或いは両方の中に分散させることができる。また、更なるナノ粒子を存在させて、表面特性に影響を与えるか、或いは性能を更に向上させる、例えば抗ファウリング性を向上させることができる。ナノ粒子22はナノ粒子16と同一であっても異なっていてもよい。金属イオン16は、図10に示すように水性層14内、或いは図11に示すように有機相の層18内、或いは両方の層の中に溶解させることができる。図13に示すように、金属イオン16を水性層14内に溶解させることができる。] 図10 図11 図13
[0026] [00040]界面重合の前にアルミニウムを放出するナノ粒子16を水性又は極性溶媒14及び/又は有機相の層18中に分散させることにより、特にナノ粒子16を処理して金属イオンの溶解性を向上させる場合には、増加した流束がしばしば観察される。溶液中のナノ粒子は、重合反応が起こる前にアルミニウムを水溶液又は有機溶液18に放出することができる。溶解した金属イオンは、重合反応、及び最終的には膜構造に影響を与えて向上した性能をもたらすと考えられる。溶解した金属イオンは、増加した水移送のための空間又は流路を残留させる重合を導くテンプレートとして働かせることができると考えられる。]
[0027] [00041]図15においては、製造中に可溶性金属種を放出して金属イオン17を水性層14中に導入するように選択されるナノ粒子16を、多孔質支持体膜12内又はその上に分散させることができる。また、製造中に、ナノ粒子16を、水性層14、又は有機相の層18、或いは両方の中に導入して、更なる金属イオン17を水性層14中に導入することもできる。また、更なるナノ粒子17を存在させて、膜10の表面特性に影響を与えるか又は性能を更に向上させることもできる。幾つかの態様の界面重合方法においては、溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は、混合物の重合を基準として5%(w/w)のナノ粒子あたり少なくとも1ppmの可溶性金属種を放出するナノ粒子を含み、かかるナノ粒子は、界面重合混合物に寄与する可溶性金属種の量を最大にするように処理されている。] 図15
[0028] [00042]RO膜は、ナノ粒子を多孔質支持体膜内に含ませて、界面重合プロセスのために可溶性金属イオンを放出させ、及び/又はおそらくは逆浸透中の支持体膜の圧縮を阻止することによって流束流の低下を改良するように製造することができる。ナノ粒子は、支持体膜内に含まれる水中に1ppm以上の可溶性金属種を放出するそれらの能力に基づいて選択することができる。支持体膜上における水性相溶液と有機相溶液との間での界面重合の前に、支持体膜を例えば1時間以下保存することが有利である可能性がある。また、有機相溶液を適用した後に、水性相溶液を支持体膜上で有機相溶液に少なくとも10秒間、好ましくは2分間、より好ましくは5分間接触させることによって、識別層を形成することが有利である可能性がある。]
[0029] [00043]図16を参照すると、布帛20上のキャスト溶液13が、処理後に支持体膜12になる。膜12は、通常はポリマー微孔質支持体膜であり、これはしばしば機械的強度のために布帛20のような不織布又は織布によって支持する。支持体膜12は、通常は厚さが25〜250ミクロンであり、最も小さい孔が上表面に非常に近接して配置されていることが分かった。表面における多孔度は、しばしば低く、例えば全表面積の5〜15%である。] 図16
[0030] [00044]ナノ粒子16は、支持体膜12を製造するのに用いるキャスト溶液13にナノ粒子16を含ませることによるか、或いは支持体膜12の製造中に転相を誘発させるために用いる非溶媒、例えばDI水内にナノ粒子16を含ませることによって、支持体膜12中に含ませることができる。]
[0031] [00045]ここで図17を参照すると、金属イオン17を水性相14に与えるのに加えて、支持体膜12にナノ粒子16を加えて、塩水26の逆浸透からの膜10を通る精製水28の流束を増加又は維持するか、或いは少なくとも流束の時間に伴う低下を減少させるように働かせることもできる。逆浸透中においては、塩水26によって従来の薄膜複合体膜(TFC)に静水圧を適用すると、おそらくは支持体膜12の圧縮のために膜透過性の減少が引き起こされることが知られている。ポリマー膜を加圧下に配置すると、ポリマーは僅かに変性して構造が変化し、低下した多孔度、増加した膜抵抗、及び最終的に低下した流束が引き起こされる。適用する圧力を増加させると、物理的圧縮の程度も増加する。一般に、汽水脱塩におけるTFC膜の流束減少は約15〜25%であり、海水脱塩においては圧縮のために30〜40%の高さである。ポリアミド薄膜複合体(TFC)逆浸透(RO)膜における圧縮の問題は、おそらくは主として厚い多孔質ポリスルホン支持層である膜12の圧縮によって起こる。したがって、多孔質支持体膜12内にナノ粒子16を用いることにより、おそらくは支持体膜12の圧縮を阻止又は限定することによって時間に伴う流束流の低下を減少させることもできる。] 図17
[0032] [00046]界面重合前又は重合中において、支持体膜12中に金属イオンを放出するナノ粒子16を分散させて水溶液14中に金属イオン17を放出することによって、得られるRO膜10においてしばしば増加した流束が観察される。水溶液14又は有機溶液18における溶液中のナノ粒子は、重合前に金属イオン17を放出することができる。溶解した金属イオン17は、重合反応及び最終的には膜構造に影響を与えて向上した性能をもたらすと考えられている。溶解した金属イオン17は、増加した水移送のための空間又は流路を残留させる重合を導くテンプレートとして働かせることができると考えられる。]
[0033] [00047]製造中においては、その中及び/又はその表面上に分散したナノ粒子16を含む多孔質支持体膜12を、第1の反応物質(例えば1,3−ジアミノベンゼン又は「MPD」モノマー)を含む水性相14のような水溶液中に浸漬して、可溶性金属イオン17をその中に放出させることができる。次に、支持体膜12を、第2の反応物質(例えば塩化トリメソイル又は「TMC」開始剤)を含む有機相18のような有機溶液と接触させることができる。通常は、有機又は非極性液体は極性又は水性液体と非混和性であるので、反応は2つの溶液の間、例えば水性相及び有機相14、18の間の界面で起こって、支持体膜12の表面上に密なポリマー層が形成される。]
[0034] [00048]上記に記載したような支持体膜12内に分散させるのに好適なナノ粒子16としては、界面重合反応中において、特にナノ粒子16を処理してアルカリ土類金属17のような金属イオンの溶解性を向上させた場合に、アルカリ土類金属又は他の金属種を有機相14中に放出するそれらの能力を与えるように選択されるものが挙げられる。]
[0035] [00049]多孔質支持体膜12は、通常は使用するまで湿潤状態に保持する。ナノ粒子16は、金属イオン17を放出して、これを支持体膜12内又はその上に含まれる水又は他の溶媒中に導入することができるように選択することができる。水性相14及び有機相18の界面重合に利用できる金属イオン17の量は、幾つかの場合においては、支持体膜12を例えばロールの形態に、RO膜10の製造の少なくとも1時間前のような好適な時間保存することによって増加させることができる。]
[0036] [00050]界面重合の前又は重合中に、金属イオン17が支持体膜12から水性相14中に拡散するのに十分な時間をとることが重要である可能性がある。現時点では、2秒間〜5分間、好ましくは10秒間〜2分間の時間が、かかる拡散を行わせて、ナノ粒子16からの金属イオン17によって識別層24の形成に影響を与え、例えば同等の適用圧力に関してそれを通る水流束を増加させることによってRO膜の性能を向上させるのに好適であると考えられる。]
[0037] [00051]支持体膜12内にそれを含ませる前に超音波プローブ又は超音波浴からの超音波エネルギーを用いることによってナノ粒子16を予備処理し、及び/又は界面重合の直前又は重合中に水性相14、有機相18のいずれか、又は両方を更に超音波処理することが有利である可能性がある。ナノ粒子16の超音波処理には、超音波プローブを、それから支持体膜12が形成されるキャスト溶液13中、或いは有機又は水性相14及び/又は18中に直接浸漬し、及び/又はナノ粒子16を含む溶液を容器内に配置し、容器を超音波浴内に浸漬することを含ませることができる。溶液を、アルカリ土類金属イオン17のような金属種の溶液中への放出を助けるのに十分な超音波エネルギーに、10〜60分間かける。超音波処理の後は、溶液は更なる金属種を含む。更なる超音波処理時間によって、更なる金属種をほぼ極限平衡まで放出させることができる。]
[0038] [00052]選択されたナノ粒子16の処理は、Microfluidizer(Microfluidics Corp.の商標)内に1〜60分配置することによって生成する剪断、キャビテーション、及び衝撃力を用いて行うこともできる。処理の後、溶液はナノ粒子16から溶解した更なる金属種を含む。]
[0039] [00053]選択されたナノ粒子16の処理は、撹拌棒を有する容器内でナノ粒子16を含む溶液を用い、撹拌プレートを用いて溶液中で撹拌棒を駆動するか、或いは電動プロペラを用いて溶液を撹拌するか、或いは実験用トレー振盪機を用いて行うこともできる。水性又は有機相14、18のいずれかの中での高い可溶性を与えるように選択されたナノ粒子に関しては、撹拌又は振盪が最も有効である。]
[0040] [00054]選択されたナノ粒子16の処理は、容器内でナノ粒子16を含む溶液を用い、pHを、約6より低く、より好ましくは約5より低く少なくとも30秒間、或いは約8より高く、より好ましくは約9より高いpHに少なくとも30秒間のいずれかに調節して行うことができる。pHを約8より高く調節するか又は約6より低く調節するかは、具体的なタイプのナノ粒子16の溶解特性によって定めることができる。]
[0041] [00055]「分子添加剤」という用語は、金属イオン及びmhTMCなどの広範囲の添加剤を包含する。図15〜17においては、金属イオンのような分子添加剤の好ましい濃度は、水性相14中には0.0001%(重量%;1ppmに等しい)〜5重量%、より好ましくは0.05%〜1%である。処理、或いは溶液中の分子添加剤17の所望の濃度を達成するのを助ける分子添加剤を加えるための他の方法によって、ナノ粒子の溶解を向上させることができる。幾つかの態様においては、処理されたナノ粒子又は他のキャリアは、剪断、キャビテーション、又は衝撃力を用いて粉砕又は部分的に溶解させて、ミクロ流動化装置などの界面重合混合物に寄与する可溶性金属種を最大にすることができる。ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、200℃以上において少なくとも1時間か焼することができる。処理されたキャリアは、振盪機台上において水溶液中で少なくとも1分間振盪することができる。キャリアは、それらを、溶液内に超音波プローブを有する容器内において、例えば超音波浴内に浮かべた容器内において、処理されたキャリアによって界面重合混合物に寄与する可溶性金属種又は他の分子添加剤を増加させるのに十分な超音波エネルギーに少なくとも5分間かけることによって処理することができる。] 図15 図16 図17
[0042] [00056]ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、溶液中において、約6より低いpHで少なくとも30秒間、或いは約5より低いpHで少なくとも30秒間処理することができる。ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、約8より高いpHの溶液中において少なくとも30秒間、或いは約9より高いpHの溶液中において少なくとも30秒間処理することができる。ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、溶液中において、40℃以上の温度で少なくとも5分間、熱によって処理することができる。ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、溶液中においてキレート剤で処理して可溶性金属種又は他の分子添加剤を結合させることができる。]
[0043] [00057]ナノ粒子16の結晶化度に基づいて、分子添加剤17を放出するナノ粒子16として用いるために、ゼオライト及び他の無機鉱物性化合物を更に選択することもできる。ナノ粒子16のアモルファス部分は、通常はナノ粒子の結晶質部分よりも可溶であり、処理によって可溶性を増加させることができる。結晶質物質の量は、X線結晶学などの幾つかの技術によって測定することができる。]
[0044] [00058]ここでまた図2〜4を参照すると、ナノ粒子又は他の不溶のキャリア16は、有機相又は層18、水性層14及び有機層の両方、及び/又は水性相14と支持体膜12との間の層中、例えば水性相14と支持体膜12の水湿潤表面の両方に液体連絡している水溶液15中にも又はその中のみに含ませることができる。ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16は、実際、水性層14又は有機層18中に含まれているかどうかにかかわらず、支持体膜12の水湿潤表面内に存在させることができる。] 図2 図3 図4
[0045] [00059]支持体膜12は、通常はポリマー微孔質支持体膜であり、これはしばしば機械的強度のために布帛20のような不織布又は織布によって支持する。支持体膜12は、通常は、ポリスルホン、或いはポリエーテルスルホン、ポリ(エーテルスルホンケトン)、ポリ(エーテルエチルケトン)、ポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン)、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、又はセルローストリアセテートのような他の好適に多孔質の膜から製造することができる。これらの微孔質支持体膜12は、通常は厚さが25〜250ミクロンであり、最も小さい孔を上表面に非常に近接して配置して有していてよい。表面における多孔度は低く、例えば全表面積の5〜15%であってよい。]
[0046] [00060]支持体膜12の製造は、気密ガラスビン内において、N−メチルピロリドン(NMP)溶媒(Acros Organics, USA)を透明なビーズの形態のポリスルホンポリマー(M1−26,000;Aldrich, USAから)に加えることから開始することができる。或いは、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いることができる。ナノ粒子16は、それをポリスルホンポリマーに加える前にNMP中に分散させることができる。次に、完全な溶解が達成されるまで溶液を数時間撹拌して、ドープ又はキャスト溶液13を形成することができる。次に、ナイフの刃を用いて、ガラスプレート15に付着している不織布20上にキャスト溶液13をキャスト又は塗布することができる。次に、ガラスプレート15を、好ましくは所望の温度に保持されている脱塩水中に速やかに浸漬することができる。直ちに転相が開始し、数分後にポリスルホン膜12を支持する不織支持布帛20をガラスプレート15から分離させることができる。次に、膜12を脱イオン水で十分に洗浄し、使用するまで低温条件下に保存する。連続被覆プロセスにおいては、ガラスプレート15は必要ない。]
[0047] [00061]ゼオライト、特にLTAのようなナノ粒子を、処理中に支持体膜12に加えて、おそらくは例えば支持体膜12の表面における多孔度を向上させ、及び/又は膜12を圧縮に対してより抵抗性にすることによって、逆浸透のための流束を向上させることができる。]
[0048] [00062]幾つかの状況においては、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16を水性相14に加えて、除去率を減少させることなく、流束のようなRO膜特性を有機相18にナノ粒子16を加えるのと同じくらい大きく改良することができる。同様に、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16は、図6において示されるように支持体膜12と識別層24との間の層内に含ませることができる。好ましい態様においては、除去率は少なくとも99.5%であり、流束は少なくとも30、35、又は40GFDである。] 図6
[0049] [00063]ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16としては、金、銀、銅、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、インジウム、スズ、マグネシウム、又はカルシウム、或いはこれらの合金、或いはこれらの酸化物、或いはこれらの混合物のような金属種を挙げることができる。また、これらは、Si3N4、SiC、BN、B4C、又はTiC、或いはこれらの合金、或いはこれらの混合物のような非金属種であってもよい。これらは、グラファイト、カーボンガラス、少なくともC2のカーボンクラスター、バックミンスターフラーレン、高級フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノ粒子、又はこれらの混合物のような炭素ベースの種であってもよい。]
[0050] [00064]ナノ粒子として用いるのに好適なゼオライトとしては、LTA、RHO、PAU、及びKFIが挙げられる。かかる合成ゼオライトは異なるSi/Al比を有し、異なる特性電荷及び親水性を示し、したがって異なる状況におけるRO膜10のために選択することができる。また、ナノ粒子16としては、ゼオライト前駆体又はアモルファスアルミノケイ酸塩を挙げることもできる。]
[0051] [00065]ゼオライトは、角部を共有するSiO4及びAlO4四面体から構成される完全に架橋した開骨格構造を有する結晶質アルミノケイ酸塩であってよい。ゼオライトの代表的な実験式は、M2/nO・Al2O3・xSiO2・yH2O(式中、Mはn価の交換性カチオンを示す)である。Mは、一般には第I又はII族のイオンであるが、他の金属、非金属、及び有機カチオンも、構造中のAlの存在によって生じる陰電荷と平衡させることができる。骨格は別々の寸法の相互に接続したケージ及びチャンネルを含んでいてよく、これらは水によって占有することができる。Si4+及びAl3+に加えて、ゼオライト骨格内に他の元素を存在させることもできる。これらは、Si4+及びAl3+と等電性である必要はないが、骨格部位を占有できるものである。アルミノケイ酸塩ゼオライトは、通常は正味の陰性の骨格電荷を示すが、他のモレキュラーシーブ骨格は電気的に中性である可能性がある。]
[0052] [00066]1.5:1より低いSi:Al比を有するアルミノケイ酸塩ゼオライトが好ましい。他の好ましい無機物としては、アルミナイト、ミョウバン石、アンモニアミョウバン、アノーキサイト、アプジョーン石、塩基アルミナ石、バタバイト、ボーキサイト、バイデライト、ベーマイト、キャドウエルドライト、カルデナイト、銅アルミナ石、キオライト、塩化アルミナ石、氷晶石、ドーソナイト、ダイアスポア、ディッカイト、ゲアルクスタイト、ギブス石、ハロイサイト、加水塩基アルミナ石、ハイドロカルマイト、ハイドロタルサイト、イライト、カリナイト、カオリナイト、蜜ロウ石、モンモリロナイト、ソーダミョウバン石、ノントロン石、パクノライト、ブドウ石、プロソパイト、ラルストナイト、ランソマイト、サポナイト、トムセン石、ウェベライト、ウッドハウス石、及び亜鉛アルミナ石が挙げられる。]
[0053] [00067]ゼオライト及び他の無機鉱物性化合物は、更に結晶化度に基づいて選択することもできる。ナノ粒子のアモルファス部分は、通常はナノ粒子の結晶質部分よりも可溶性であり、処理によって可溶性を増加させることができる。結晶質物質の量は、X線結晶学などの幾つかの技術によって測定することができる。ナノ粒子は、粒子内に0.5質量%超、1質量%超、又は5質量%超のアモルファス材料を有する構造を有していてよく、少なくとも40%のアルミニウム原子又はアルミニウム原子に直接結合している酸素原子を含む表面を有していてよい。]
[0054] [00068]ゼオライトに類似のケージ様骨格構造を有するか又はゼオライトと類似の特性を有し及び/又はゼオライトと会合する無機物としては、リン酸塩:ケホエイト、パハサパ石、及びチップトップ石;並びにケイ酸塩:ハシアンフラル石、ロブダライト、ビセアイト、パルテ沸石、ブドウ石、ロジアナイト、魚眼石、ギロル石、マリコパ石、オーケン石、タカラン石、及びトベルモリー石;が挙げられる。したがって、ゼオライトと類似の無機物は、AlPO4ベースのモレキュラーシーブであってもよい。これらのアルミノリン酸塩、シリコアルミノリン酸塩、メタロアルミノリン酸塩、及びメタロシリコアルミノリン酸塩は、それぞれAlPO4−n、SAPO−n、MeAPO−n、及びMeAPSO−n(式中、nは構造タイプを示す整数である)として示される。AlPO4モレキュラーシーブは、公知のゼオライトの構造又は他の構造を有することができる。AlPO4−n骨格内にSiが含まれている場合には、生成物はSAPOとして知られる。MeAPO又はMeAPSOシーブは、AlPO4−n又はSAPO骨格中に金属原子(Me)を導入することによって形成することができる。これらの金属原子としては、Li、Be、Mg、Co、Fe、Mn、Zn、B、Ga、Fe、Ge、Ti、及びAsが挙げられる。]
[0055] [00069]殆どの置換AlPO4−nはAlPO4−nと同じ構造を有するが、SAPO、MeAPO、及びMeAPSO材料においてのみ幾つかの新規な構造が見出される。これらの骨格は、通常は電荷を帯びている。]
[0056] [00070]非ゼオライトナノ粒子及び/又は他の比較的不溶のキャリアは、溶解した分子添加剤の好ましい濃度を達成することができるような溶解度積を有する無機鉱物性化合物のリストから選択することができる。多くの化合物に関して、これらの溶解度積(Ksp)は周知である。これらが実験的に知られていない化合物に関しては、分子添加剤を放出するか又は他の比較的不溶のキャリアは、それらの対イオンによって選択することもできる。かかる場合においては、化合物は、硫酸塩、水酸化物、又は酸化物対イオンの存在に基づいて選択することができる。これらの非ゼオライトナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアの可溶性は、処理を用いて向上させることができる。]
[0057] [00071]粒径は、しばしば、粒子又は他の比較的不溶のキャリアの球状の形状を仮定して、平均流体力学的直径の観点で示される。選択されるナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16は、約0.1nm〜約1000nm、約10nm〜約1000nm、約20nm〜約1000nm、約50nm〜約1000nm、約0.11nm〜約500nm、約10nm〜約500nm、約50nm〜約250nm、約200nm〜約300nm、又は約50nm〜約500nmの平均流体力学的直径を有していてよい。]
[0058] [00072]好適なナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアは、しばしば、界面重合中に用いる水性又は極性溶媒と相溶性の溶液中に分散させる(多くの場合において、分散溶媒及び反応中に用いるための水性溶媒の両方として水を用いることができる)。この分散液は、主として単離している個々のナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを含む。分散のために好適な方法としては、撹拌、超音波処理、振盪、界面活性剤又は共溶媒の使用、Microfluidizer(Microfluidics Corp.の商標)材料又は同様の材料の使用、乳鉢及び乳棒の使用、ボールミル又はジャーミルの使用が挙げられる。多くの場合においては、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアの一部は、未だ他のナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアと会合している可能性がある。これらの凝集体は、溶液中に残留させてもよく、或いは好適な技術によって除去してもよい。]
[0059] [00073]ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを界面重合中に用いる水性又は極性溶媒中に分散させることによって、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを含む改良された性能を有するTFC膜を得ることができる。特に、良く分散されたナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを含む溶液を用いて製造されるTFC膜を用いると、増加した流束がしばしば観察される。好適な(例えば最適の寸法、形状、多孔度、及び/又は表面化学を有する)ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを水性溶液又は有機溶液中に含ませ、次に適当な製造法を行うことによって、このようなナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアの良く分散された溶液を得ることができる。かかる良く分散された溶液又は他の比較的不溶のキャリアを用いる結果として、最終膜内に多数のナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアが含まれているフィルムを製造することができる。]
[0060] [00074]かかる分散液中においては、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリア16は、単離した個々の種か、或いはより大きな凝集体構造内に含まれる構築ブロックのいずれかとして存在させることができる。これらの構造は、合成中(例えばゼオライトのか焼中)に形成されるもののように非常に安定で変化しないものとすることとができ、或いは、これらはキャリア及び溶液の熱力学から生成する過渡的構造にすることもできる。良く分散された溶液、則ちナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアがその中に良く分散されている溶液は、ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアの凝集体よりも、単離した個々のナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを主として含む。特に、大部分が単離した個々のナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを含み、非常に少量の凝集体のようなより大きな構造体を含む溶液を用いることが好ましい可能性がある。このように、最も多数の単離したナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアを、最終膜内に含ませ、及び/又は膜の構造を最適にするように働かせることができる。]
[0061] [00075]ナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアがその中に良く分散しており、実質的な凝集体を含まない溶液は、例えば、界面重合中に用いる水性又は極性溶媒14中のゼオライトLTAのナノ粒子を用いることによって得ることができる(多くの場合において、分散溶媒及び反応中に用いるための水性溶媒の両方として水を用いる)。この分散液は、主として単離した個々のナノ粒子を含む。この特定の溶液は、LTAの親水性表面、及び水とのその強い相互作用、1ミクロン未満のその小さい寸法のために良く分散する。所望の分散を引き起こすために好適な方法としては、撹拌、超音波処理、振盪、界面活性剤又は共溶媒の使用、Microfluidizerタイプの材料の使用、乳鉢及び乳棒の使用、ボールミル又はジャーミルの使用が挙げられる。特に、高い強度の超音波処理又はミクロ流動化を十分な時間行うことによって、良く分散した溶液が得られる。]
[0062] [00076]図1〜4を参照すると、界面重合中に用いる水性相14には、反応物質、ナノ粒子、又は他の比較的不溶のキャリア、並びに、界面活性剤、乾燥剤、触媒、共反応物質、共溶媒のような処理助剤等の1つを含ませることもできる。] 図1 図2 図3 図4
[0063] [00077]一般的に、識別層24を形成するポリマーマトリクスは、2以上のモノマーの反応によって製造することができる。第1のモノマーは二求核性又は多求核性モノマーであってよく、第2のモノマーは二求電子性又は多求電子性モノマーであってよい。則ち、それぞれのモノマーは2以上の反応性(例えば求核性又は求電子性)基を有していてよい。求核剤及び求電子剤はいずれも当該技術において周知であり、当業者であればこの用途のために好適なモノマーを選択することができる。第1及び第2のモノマーはまた、接触させた際に界面重合反応を起こしてポリマーマトリクス(則ち三次元ポリマーネットワーク)を形成させることができるように選択することもできる。第1及び第2のモノマーはまた、接触させた際に重合反応を起こして、その後に例えば熱、光放射線、又は化学架橋剤に曝露することによって架橋することができるポリマー生成物を形成することができるように選択することもできる。]
[0064] [00078]第1のモノマーは、極性液体、好ましくは水中に可溶で極性混合物を形成するように選択することができる。一般に、二官能性又は多官能性求核性モノマーは、1級又は2級アミノ基を有していてよく、芳香族(例えば、ジアミノベンゼン、トリアミノベンゼン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、及びキシリレンジアミン)、或いは脂肪族(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ピペラジン、及びトリス(2−ジアミノエチル)アミン)であってよい。更なる例においては、極性液体及び第1のモノマーは同じ化合物であってよく;則ち、第1のモノマーを与えて別の極性液体中に溶解させないことができる。]
[0065] [00079]好適なアミン種の例としては、2つ又は3つのアミノ基を有する第1級芳香族アミン、例えばm−フェニレンジアミン、並びに2つのアミノ基を有する第2級脂肪族アミン、例えばピペラジンが挙げられる。アミンは、通常は極性液体、例えば水中の溶液として微孔質支持体に適用することができる。得られる極性混合物は、通常は、約0.1〜約20重量%、好ましくは約0.5〜約6重量%のアミンを含む。多孔質支持体上に被覆したら、過剰の極性混合物は場合によっては除去することができる。極性混合物は水性である必要はないが、極性液体は非極性液体と非混和性でなければならない。水が好ましい溶媒であるが、アセトニトリル及びジメチルホルムアミド(DMF)のような非水性極性溶媒を用いることができる。]
[0066] [00080]極性混合物は、通常は含浸、浸漬、被覆、又は他の周知の技術によって微孔質支持体膜12に適用することができる。多孔質支持体膜12上に被覆したら、過剰の極性混合物は、場合によっては、蒸発、排水、エアナイフ、ラバーワイパーブレード、ニップローラー、スポンジ、又は他の器具若しくは方法によって除去することができる。]
[0067] [00081]界面重合中に用いる有機相18には、反応物質、ナノ粒子、又は他の比較的不溶のキャリア、並びに触媒、共反応物質、共溶媒のような加工助剤等の1つを含ませることもできる。]
[0068] [00082]第2のモノマーは、非極性混合物を形成する非極性(有機)液体と混和性であるように選択することができるが、十分な蒸気圧を有するモノマーに関しては、場合によっては、蒸気相からモノマーを導入することができる。第2のモノマーは、場合によっては極性液体と非混和性であるように選択することもできる。通常は、第2のモノマーは、二求電子性又は多求電子性モノマーであってよい。求電子性モノマーは芳香族性であってよく、分子あたり2つ以上、例えば3つの求電子性基を含んでいてよい。第2のモノマーはハロゲン化トリメソイルであってよい。ハロゲン化アシル求電子性モノマーの場合に関しては、比較的低いコスト及び大きな入手容易性のために、塩化アシルが対応する臭化物又はヨウ化物よりも一般的に好適である。]
[0069] [00083]好適な多官能性ハロゲン化アシルとしては、塩化トリメソイル(TMC)、塩化トリメリット酸、塩化イソフタロイル、塩化テレフタロイル、及び類似の化合物、或いは好適なハロゲン化アシルのブレンドが挙げられる。更なる例として、第2のモノマーはハロゲン化フタロイルであってもよい。]
[0070] [00084]多官能性ハロゲン化アシルは、非極性有機液体中に、例えば約0.01〜約10.0重量%、或いは約0.05〜約3重量%の範囲で溶解させることができる。好適な非極性液体は、求電子性モノマー(例えば多官能性ハロゲン化アシル)を溶解することができ、極性液体(例えば水)と非混和性であるものである。特に、好適な非極性液体としては、オゾン層への脅威を引き起こさず、更にはそれらの引火点及び可燃性の点で十分に安全で、極度の予防措置をとる必要性なしに通常の処理にかけることができるものを挙げることができる。これらとしては、C5〜C7炭化水素、及びより高沸点の炭化水素、則ち約90℃より高い沸点を有するもの、例えばC8〜C24炭化水素及びこれらの混合物(これらは、それらのC5〜C7の対応物よりも好適な引火点を有するが、揮発性がより低い)が挙げられる。非極性混合物は、通常は、含浸、浸漬、被覆、又は他の周知の技術によって微孔質支持体膜12に適用することができる。]
[0071] [00085]一態様においては、多官能性ハロゲン化アシルモノマー(酸ハロゲン化物とも呼ぶ)を、通常は有機相溶液18から支持体膜12上に被覆する。通常は、多孔質支持体12上に、まずはアミン溶液14、次にハロゲン化アシル溶液18を被覆する。モノマーは、接触した際に反応させて、それによって重合させて、支持体構造体12の上表面にポリマー(例えばポリアミド)マトリクスフィルム識別層24を形成することができる。多官能性アミン及びハロゲン化アシル層の一方又は両方を、水性及び有機溶液14及び18のような溶液から多孔質支持体12に適用することができるが、これらは、或いは蒸着又は熱などの他の手段によって適用することもできる。]
[0072] [00086]他の態様においては、それらの間の接触の前に、界面重合中に用いる水性又は極性溶媒14及び/又は有機相の層18(又は両方)中に分子添加剤16を溶解することによって、塩除去率に大きな影響を与えることなく、逆浸透中に膜10を通る増加した流束がしばしば観察される。]
[0073] [00087]好適なアルカリ土類金属種又は他の分子添加剤16としては、水性相の層14又は有機相の層18のいずれか或いは両方の中にある程度まで溶解可能な塩又は化合物が挙げられる。水性相の層14及び有機相の層18に関して異なる種を用いることができる。多くの態様においては、β−ジケトネートはアセトアセトネートであってよい。アルミニウム種に関して有機相中の好ましい種としては、Al(acac)3(ここで、(acac)は二座配位子であるアセチルアセトネートである)が挙げられる。水性層中の好ましい種としては、アルミン酸ナトリウム、クエン酸アルミニウム、及びカンファースルホン酸アルミニウムが挙げられる。アルカリ土類金属などの他の分子添加剤に関して好ましい種を、下記の表〜XXIに示す。]
[0074] [00088]金属種の好ましい濃度は、水性層14又は有機層18のいずれにおいても、0.005重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜1重量%である。
[00089]有機層18において分子種を用いる場合には、溶液を超音波処理することが有益である可能性がある。超音波処理は、分子種をより良好に分散させるように働かせることができる。また、超音波処理は、用いない場合には起こすのにより高い温度、触媒、又は開始剤が必要な反応を進行させるように働かせることもできる。]
[0075] [00090]幾つかの場合においては、RO膜10を形成した後に、高pHの水溶液中でのすすぎを加えることによって性能を更に向上させることができる。例えば、膜10を炭酸ナトリウム溶液中ですすぐことができる。pHは好ましくは8〜12であり、曝露時間は10秒間〜30分間、又はそれ以上で変化させることができる。また、すすぎは60〜98℃の温度の熱水すすぎであってもよい。また、すすぎ水に次亜塩素酸ナトリウムのような塩素種を含ませることもできる。]
[0076] [00091]図5、6、8、及び9において示すように、界面重合は水性相の層14と有機相の層18との間の界面において起こって、識別層24が形成される。識別層24は、通常は多官能性アミンモノマーで多孔質支持体膜12を被覆することによって形成され、最も通常的には水性相溶液14から被覆される複合体ポリアミド膜であってよい。水が好ましい溶媒であるが、アセトニトリル及びジメチルホルムアミド(DMF)のような非水性溶媒を用いることができる。次に、多官能性ハロゲン化アシルモノマー(酸ハロゲン化物とも呼ぶ)を、通常は有機相溶液18から支持体膜12上に被覆することができる。通常は、多孔質支持体12上に、まずアミン溶液14、次にハロゲン化アシル溶液18を被覆する。モノマーは、接触した際に反応させて、それによって重合させて、支持体構造体12の上表面にポリマー(例えばポリアミド)マトリクスフィルム24を形成することができる。多官能性アミン及びハロゲン化アシルの一方又は両方を、水性及び有機溶液14及び18のような溶液から多孔質支持体12に適用することができるが、これらは、或いは蒸着又は熱のような他の手段によって適用することもできる。] 図5
[0077] [00092]幾つかの態様においては、アルカリ土類及び他の金属のような分子添加剤16を、界面重合中に用いる水性又は極性溶媒14及び/又は有機相の層18中に分散させることによって、増加した流束がしばしば観察される。溶液中のナノ粒子及び他の比較的不溶のキャリアは、重合反応が起こる前に分子添加剤を水性溶液14又は有機溶液18に放出することができる。溶解した分子添加剤は、重合反応、及び最終的には膜構造に影響を与えて向上した性能をもたらすと考えられる。溶解した分子添加剤は、増加した水移送のための空間又は流路を残留させる重合を導くテンプレートとして働かせることができると考えられる。分散に好適なナノ粒子又は他の比較的不溶のキャリアとしては、所望の分子添加剤を界面重合反応の有機相又は水性相のいずれかの中に放出するその能力を与えるように選択されるものが挙げられる。]
[0078] [00093]溶解度定数は、溶液中の分子添加剤(例えば添加剤17)の質量を、始めに用いた同じ溶液中のナノ粒子又は他のキャリアの質量で割ったものと考えることができる。例えば、1ppmの溶解金属種を与えるナノ粒子の5重量%溶液は0.002%の溶解度定数を与え、1ppmを与える1%溶液は0.01%を与える。無機物の溶解度は、同じ無機ナノ粒子の溶解度に対する一般的な指針として用いることができる。]
[0079] [00094]しかしながら、より小さいナノ粒子はより大きな単位質量あたりの表面曝露量を有し、より小さいナノ粒子は、単純な表面積効果に加えて、単位面積あたりの曝露金属又は他の原子の数を増加させる。溶液中にかかる原子又は分子がより大きく曝露されると、所望の添加剤の可溶性が増加する可能性がある。また、硫酸塩、水酸化物、及びフッ化物のような対イオンを存在させることによっても、可溶性を増加させることができる。]
[0080] [00095]無機物の可溶性は処理を用いて向上させることができる。
[00096]か焼プロセスによって孔内の添加剤の量を増加させ、それにより交換のために利用することができるので、か焼ゼオライトナノ粒子は添加剤の可溶性を増加させることができる。]
[0081] [00097]ゼオライト及び他の無機鉱物性化合物は、更に結晶化度に基づいて選択することができる。ナノ粒子のアモルファス部分は、ナノ粒子の結晶質部分よりも可溶である。結晶質物質の量は、X線結晶学などの幾つかの技術によって測定することができる。]
[0082] [00098]非ゼオライトナノ粒子は、溶解金属種又は他の添加剤の好ましい濃度を達成することができるような溶解度積を有する無機鉱物性化合物のリストから選択することができる。多くの化合物に関して、これらの溶解度積(Ksp)は周知である。これらが実験的に知られていない化合物に関しては、添加剤を放出するナノ粒子は、それらの対イオンによって選択することもできる。この場合においては、化合物は、硫酸塩、水酸化物、又は酸化物対イオンの存在に基づいて選択する。]
[0083] [00099]ナノ粒子から溶解する添加剤の好ましい濃度は、水性層14又は有機層18のいずれにおいても、0.0001重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜1重量%である。]
[0084] [000100]非ゼオライト炭化水素ナノ粒子は、これらの炭化水素の灰分中の所望の添加剤の存在に基づいて選択することができる。これらの化合物の灰分中の添加剤の存在は、これらの化合物が溶液中に添加剤を放出する能力に関連させることができる。これらの炭化水素ナノ粒子は、好ましくは有機相18中に含ませる。]
[0085] [000101]溶液を超音波処理することがしばしば有益である。超音波処理は、ナノ粒子をより良好に分散させるように働かせることができる。また、超音波処理は、用いない場合には起こすのにより高い温度、触媒、又は開始剤が必要な反応を進行させるように働かせることもできる。]
[0086] [000102]多孔質支持体構造体は、第1の反応物質(例えば、1,3−ジアミノベンゼン又は「MPD」モノマー)を含む水溶液中に浸漬することができる。次に、基材を、第2の反応物質(例えば、塩化トリメソイル又は「TMC」モノマー)を含む有機溶液と接触させることができる。通常は、有機又は非極性液体は極性又は水性液体と非混和性であるので、反応は2つの溶液の間の界面において起こり、支持体膜の表面上に密なポリマー層が形成される。]
[0087] [000103]アミン(例えばMPD)と求電子剤(例えばTMC)とを反応させてポリアミド薄膜複合体膜を形成するための代表的な条件は、約10〜20のTMCに対するMPDの濃度比を用い、MPD濃度は極性相(水性相14)の約1〜6重量%である。重合反応は、開放雰囲気中、室温において行うことができ、或いは極性又は非極性液体のいずれか或いは両方の温度を制御することができる。形成されたら、密なポリマー層(これが識別層24になる)は、有利には反応物質間の接触を抑止し、反応を遅延させるバリヤとして作用させることができる。したがって、通常は非常に薄く、水に対して透過性であるが、精製水を製造するために用いる塩水又は汽水から除去される塩のような溶解、分散、又は懸濁固形分に対しては比較的不透過性である選択性の密な層が形成される。このタイプの膜は、通常は逆浸透(RO)膜として示される。]
[0088] [000104]ポリマー層が形成されたら、蒸発又は機械的除去によって非極性液体を除去することができる。例えば乾燥オーブン内において昇温下で蒸発させることによって非極性液体を除去することがしばしば好都合である。]
[0089] [000105]幾つかの場合においては、RO膜が形成された後に高pH水溶液を用いるすすぎ工程を加えることによって、性能を更に向上させることができる。例えば、膜10を炭酸ナトリウム溶液ですすぐことができる。pHは好ましくは8〜12であり、曝露時間は10秒間〜30分間、又はそれ以上で変化させることができる。]
[0090] [000106]ここで図6を参照すると、塩水精製のために用いる場合には、塩水26を加圧下でナノ粒子16を含む識別層24に適用することができる。精製水28は、次に多孔質支持体膜12及び存在する場合には布帛層20を通る。] 図6
[0091] [000107]また、ここで図9を参照すると、ナノ粒子16を、識別層24と支持体膜12の上表面との間にも、或いはそこのみに存在させることができる。
[000108]ここで図5、6、及び8を参照すると、ナノ粒子は、幾つかの理由のために、例えば透過性を向上させるため、表面化学を変性するため、粗さ又は形態を変化させるため、或いは抗バクテリア活性を可能にするため、及び特に、とりわけ他の分子添加剤の存在下でファウリングを減少させるために、膜内に含ませることができる。これら及び他の用途に関しては、RO膜10内のナノ粒子の数を増加させることが有用である可能性がある。ナノ粒子16を含むRO膜10の表面の割合は、任意の好適な技術によって測定することができる。ゼオライトLTAのナノ粒子16に関しては、この取り込みは、識別層24の薄膜を単離し、透過電子顕微鏡法(TEM)を用いてナノ粒子を含む膜の割合を測定することによって有効に測定することができる。] 図5 図9
[0092] [000109]良く分散したナノ粒子溶液を用いると、5重量%超、10重量%超、又は更に20重量%超のナノ粒子ゼオライトLTAが取り込まれた膜を得ることができる。幾つかの態様においては、膜表面積の少なくとも20%はナノ粒子から構成される。]
[0093] [000110]親水性、電荷、及び粗さのようなRO膜10の表面特性は、通常はRO膜10の表面ファウリングと相関する。一般に、高親水性で、陰電荷を帯びていて、平滑な表面を有する膜は、良好な透過性、除去率、及び抗ファウリング挙動を与える。抗ファウリング性を促進させるためのRO膜のより重要な表面特性は、親水性及び平滑さである。溶液のイオン強度が100mMを大きく下回る場合には、このイオン強度又はそれより大きいイオン強度においては電気二重層相互作用を無視できるので、膜の表面電荷もファクターである可能性がある。多くのRO用途では高濃度の塩水が関与するので、汚染物の付着を抑止するために必ずしも静電相互作用に頼ることができるとは限らない。更に、天然の有機物質(NOM)によるポリアミド複合体膜のファウリングは、通常は、NOM巨大分子のカルボン酸官能基と膜表面上の懸垂カルボン酸官能基との間のカルシウム錯化反応によってもたらされることが示された。]
[0094] [000111]膜表面の引掻を阻止するか又は吸着を変化させるために、親水性ポリマー層30を膜10の表面に適用することができる。例えば、水中のポリビニルアルコールの溶液を膜10の表面に適用し、次に熱硬化させることができる。]
[0095] [000112]幾つかの場合においては、RO膜10のような膜を用いて、膜表面上に蓄積して、見かけの透過性を減少させる傾向がある物質を含む水を脱塩することができる。これらの物質としては、天然の有機物質、部分的に不溶の無機物質、有機界面活性剤、沈泥、コロイド状物質、バイオフィルムなどの微生物種、並びに、タンパク質、多糖類、核酸、代謝産物のような微生物種から分泌又は放出される有機物質などを挙げることができるが、これらに限定されない。この透過性の低下は、ここで記載するナノ複合体膜に関しては、蓄積した物質の減少した量、密度、生存力、厚さ、及び/又は性質のために、従来の技術によって製造される膜に関するものよりもしばしば小さい。]
[0096] [000113]この抗ファウリング性の向上は、部分的に、ナノ複合体RO膜10の増加した親水性に関係する。TFC膜10の増加した親水性は、制御された温度における蒸留水の液滴を用いる膜表面の平衡接触角によって測定することができる。TFC膜10は、ナノ粒子を用いないで同様に製造した膜に対して、5°、10°、15°、25°、又はそれ以上減少した接触角を有することができる。平衡接触角は、45°未満、40°未満、37°未満、又は更に25°未満とすることができる。]
[0097] [000114]次に、更なる処理工程を行って、支持体膜12の表面上のナノ粒子16の数を増加させることができる。この工程には、加圧又は減圧を用いて膜を通して溶液を引き、ナノ粒子16を支持体膜12の表面で蓄積させることを含ませることができ、或いはアミン溶液を蒸発させて支持体膜12の表面上にナノ粒子16を付着させることを含ませることができる。RO膜10の表面上のナノ粒子16の最終的な数はしばしば性能に影響を与えるので、溶液蒸発及び濃縮法の被覆厚さはいずれも制御することが重要である。]
[0098] [000115]ここでも図8及び9を参照すると、幾つかの態様においては、一部のナノ粒子16を、これらが識別層24内に含まれているかどうかにかかわらず、支持体膜12と識別層24の薄いポリマー膜との間の界面に配置することができる。膜12の表面のこの位置において、ナノ粒子16は、識別層12と支持体膜12の表面における微孔との間に導水路及び流路を形成することによって流れの抵抗を減少させることができる。微孔質支持体膜12の表面における比較的低い孔の密度のために、この位置において抵抗を減少させることにより、除去特性を維持しながらRO膜10の膜透過性を増加させることができる。] 図8
[0099] [000116]幾つかの態様においては、一部のナノ粒子16を識別層24の薄いポリマー膜内に配置する。これらの場合においては、界面重合をナノ粒子16の周りで起こして、最終的にはナノ粒子16を取り込むことができる。これにより、ナノ粒子16を通る更なる流路を導き出して、流れの増加をもたらすことができる。幾つかの場合においては、これにより識別層24内のナノ粒子16に隣接するポリマー膜の変性を導いて、水を透過し溶質を保持するポリマー膜の能力を増加させることができる。隣接するポリマーに対するこの影響は、特定のナノ粒子16から10nm以下、1ミクロン以下、及び更には100ミクロン以下の領域において起こすことができる。このようにして、比較的少量の取り込まれたナノ粒子16によって性能の劇的な向上を得ることができる。]
[0100] [000117]幾つかの場合においては、ナノ粒子16は、反応前及び反応中においてポリマーそれ自体に影響を与え、膜の化学的性質及び/又は形態を変化させて、ナノ粒子16をRO膜10中に取り込むことなしに向上した特性を導く。]
[0101] [000118]多くの場合において、より小さい直径のナノ粒子16によって、薄膜ナノ複合体RO膜10の向上した性能を与えることができることが分かった。より大きなナノ粒子及び微細粒子は、薄膜ポリマーの支持されていない領域、及び薄膜中に裂け目を形成する可能性があると考えられる。これらの小さな裂け目は、膜を通る漏洩及び溶質除去率の減少をもたらす可能性がある。より小さいナノ粒子16を用いることによって、RO膜10の除去特性における最小の変化で流束の応答が可能になる。]
[0102] [000119]また、選択されたナノ粒子16の濃度も、RO膜10の性能において重要である可能性がある。多くの場合において、より高い濃度のナノ粒子16によって識別層24内へより多く取り込まれるようになり、したがってより大きな流束の増加が与えられる。しかしながら、十分に高い濃度より高い濃度(例えば、0.2重量%超、0.5重量%超、1重量%超、又は5重量%超)においては、更なる利益が殆どないか又は全くない。これらの場合において、無視しうる塩除去率の減少で最も大きな流束の応答を与える最適の濃度が存在する可能性があり、これは当業者によって求めることができる。他の場合においては、膜の性能を向上させるためには非常に低い濃度のナノ粒子16しか必要ではなく、ナノ粒子の濃度を更に増加させても更なる効果は僅かしかないか又は全くない。これらの場合においては、得られるRO膜10からの再現可能な性能の向上を与える最小の量(好ましくは0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満)を選択することができる。かかる状況においては、ナノ粒子16は、しばしばポリマーそれ自体の形成を助け、形作り、或いは変化させ、性能の変化を与える識別層24の最終ポリマー膜における変化をもたらす。]
[0103] [000120]上記に示すように、多分散度と呼ぶことができるものを制御することによって、より狭い寸法分布のナノ粒子16を得ることが有用である可能性がある。これを行う1つの手段は、遠心分離を用いることによるものである。遠心分離においては、より大きな質量の粒子がより速い沈降速度を有し、溶液中にとどまる粒子を保持しながら容器の底部に沈殿物が形成される。残りの液体又は沈殿物を取り出すことにより、異なる寸法及び分散度の両方、例えばより小さい平均粒径及びより小さい寸法範囲を有するナノ粒子を得ることができる。]
[0104] [000121]多分散度を改良する他の方法は、ミクロ流動化を用いることによるものである。多分散度は、体積平均粒径を数平均粒径で割ることによって算出することができる。1に近い多分散度は狭い寸法範囲を示し、一方、より大きい数値はより大きい寸法幅を示す。好ましい多分散度は、10、5、2、1.5、1.25より小さく、最も好ましくは1.1より小さい。例えば、100nmのLTAの試料に対して超音波処理のみを用いると62.4の多分散度を有する分散液が得られ、一方、超音波処理、次にミクロ流動化及び遠心分離を用いると、1.7の多分散度が得られる。400nmのLTAの別の試料は、超音波処理及びミクロ流動化の後に1.53の多分散度を有していた。]
[0105] [000122]分子添加剤:
ここで図22及び23を参照すると、分子添加剤16は、図22に示すように水性相の層14中に、或いは図23に示すように有機相の層18中に溶解することができる。ここで特に図24を参照すると、RO膜10を塩水の精製のために用いる場合には、塩水26を加圧下で識別層24に適用することができる。精製水28は、次に多孔質支持体膜12及び存在する場合には布帛層20を通過する。理論に縛られることは意図しないが、分子添加剤16は、界面重合中にポリマー構造体を形成して識別層24を形成することに関与するようになる可能性があり、及び/又は膜10の運転中には識別層24内に存在しない可能性がある。] 図22 図23 図24
[0106] [000123]界面重合中に用いる水性又は極性溶媒14及び/又は有機相の層18(又は両方)の中に分子添加剤16を溶解することによって、実質的に塩除去率に影響を与えずに逆浸透中に膜10を通る増加した流束がしばしば観察される。]
[0107] [000124]理論に縛られることは意図しないが、膜10は、水を含み、水拡散のための導路を与えることによって水を移送すると考えられる。これらの膜10内の導路は、ポリマー膜内の自由体積の結果である可能性があり、ポリマー膜内の相互に接続した原子サイズか又はそれよりも大きい空隙であると考えることができる。金属又は他の分子添加剤16で形成されている膜10は、増加した自由体積を有する可能性があり、したがって金属又は他の分子添加剤16を用いずに製造された膜よりも速い速度で水を移送することができる可能性がある。金属又は他の分子添加剤16は、最初は溶液中で安定であることができるが、重合反応からHClが放出され、金属添加剤16がプロトン化されて沈殿し始め、この沈殿によって重合場において熱が発生する可能性がある。この熱は、形成ポリマー鎖の凝集に影響を与えて、潜在的により多くの水を含んでそれを通過させることができる増加した自由体積を有することができる変性した構造を与えることができる。TFC膜10を通して水を移送する能力は、膜10内での水の拡散と量との積として考えることができ、この増加した水吸収によって増加した透過性を与えることができる。]
[0108] [000125]分子添加剤は、約2.5未満のポーリング電気陰性度を有する中心原子を含む少なくとも部分的に可溶の化合物であってよい。上記で記載した分子添加剤は、幾つかの場合において増加する膜透過性においては比較的効率的でなかった。一般に、リガンドは、周期律表(IUPAC)の第2〜15族から選択される元素に結合する。幾つかの態様においては、元素は、周期律表(IUPAC)の第3〜15族及び3〜6行、好ましくは周期律表の第3〜14族及び3〜6行からなる群から選択することができる。幾つかの態様においては、金属は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、バナジウム、モリブデン、ハフニウム、コバルト、ルテニウム、鉄、クロム、カドミウム、スズ、ベリリウム、パラジウム、イッテルビウム、エルビウム、プラセオジム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、又はストロンチウムであってよい。]
[0109] [000126]本発明者らは、膜を製造するのに用いる試薬の濃度を特定の範囲に調節することによって、分子添加剤をより効率的に作用させることができることを見出した。より詳しくは、TMCの濃度が分子添加剤の有効性を変化させることが分かった。産業界において通常用いられているもの(例えば0.1%)よりも50%〜500%高いTMCの濃度を用いると、実質的により大きな流束の増加を与える分子添加剤が得られる。]
[0110] [000127]一方、より高いTMC濃度を用いる場合には、MPD濃度を調節することも有用である可能性があるので、MPD/TMCの比は約35/1より低く保持する。この比を過度に高くすると、膜、例えば膜148、156、及び164の除去率が悪化し始める。幾つかの態様においては、(a)中のTMCの濃度は、0.2〜0.6%(w/w)、好ましくは0.3〜0.5%(w/w)である。幾つかの態様においては、(b)中のTMCとモノ加水分解TMCとの比は、50:1〜15:1である。幾つかの態様においては、(b)はMPDを含み、MPD/TMCの比は、5〜35、又は5〜25、又は30〜35である。]
[0111] B.5.他の分子添加剤:
[000128]添加剤16のための好適な分子添加剤としては、約2.5未満のポーリング電気陰性度を有する中心原子を含む化合物が挙げられる。水性相の層14、又は有機相の層18、或いは両方の中にある程度まで可溶である、Al(acac)3、Ga(acac)3、In(acac)3、V(acac)3、及び他のアルミニウム、ガリウム、インジウム、又はバナジウムのβ−ジケトネートコンプレックスが特に好ましい。]
[0112] [000129]金属添加剤コンプレックス16の好ましい濃度は、有機層18中に0.005重量%〜5重量%、より好ましくは0.025%〜0.25%である。溶液を超音波処理することが有益である可能性がある。超音波処理は、金属を有機溶液18中により良好に分散させるように働かせることができる。また、超音波処理は、用いない場合には起こすのにより高い温度、触媒、又は開始剤が必要な反応を進行させるように働かせることもできる。また、金属コンプレックスをより良好に溶媒和する共溶媒を適用することが有用である可能性もある。好ましい共溶媒は、希釈する前にβ−ジケトネート金属コンプレックスの明澄な溶液を形成することができるものである。ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、又はエチルベンゼンなどの芳香族溶媒が特に好ましい。これらの共溶媒は、好ましくは膜の特性に悪影響を与えない十分に低い濃度で用いる。]
[0113] [000130]TFC膜に関する改良された耐蓄積性は、部分的に、これらの膜の増加した親水性に関係する可能性がある。増加した親水性は、制御された温度における蒸留水の液滴による膜表面の平衡接触角によって測定することができる。重合中に金属コンプレックス16を存在させて製造する膜は、金属コンプレックスを用いないで同様に製造する膜に対して5°、15°、又は更に25°、或いはそれ以上の角度減少する接触角を有することができる。平衡接触角は、45°未満、40°未満、又は更に25°未満とすることができる。]
[0114] 予備膜試験:
[000131]分離効率:
[000132]平坦シートセル試験装置において膜の性能を測定することができる。試験は2500のレイノルズ数で行って、膜表面における除去溶質の蓄積を、バルク中のものよりも10%以下高い濃度より低い濃度にすることができる。全ての試験は、脱イオン(DI)又はRO水中32,000ppmのNaClについて、25℃及び800psiにおいて行うことができる。膜は、性能特性(例えば水流束及び塩除去率)を測定する前に1時間運転することができる。]
[0115] [000133]接触角:
[000134]接触角は室温におけるDI水のものであってよい。膜を水で十分にすすぎ、次に真空デシケーター内で乾固させることができる。膜10は、垂直位置で乾燥して、接触角に影響を与える可能性のある全ての抽出化合物の再付着を阻止することができる。接触角測定の偶然の変動の理由から、12個の角度を測定して、高い角度及び低い角度を排除して、残りの角度を平均化することができる。]
[0116] 実施例A:
[000135]DI水中の3.2重量%のMPD、4.5重量%のトリエチルアンモニウムカンファースルホネート(TEACSA)、及び0.06重量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)の2つの水溶液を調製し、その内の一方には0.1%のLTA(直径150nm)も含ませた。LTAを含む溶液を30分間超音波処理した。0.3重量%のTMCを含むIsopar G溶液も調製した。]
[0117] [000136]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、界面重合(IP)反応が起こる領域を形成した。]
[0118] [000137]次に、上記で記載したようにして調製した50mLのMPD水溶液を、フレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間そこに保持した。溶液がそれ以上フレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0119] [000138]フレームを取り外し、少なくとも4分間水平に放置した。その時点で表面水の殆どは蒸発していた。次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて膜表面の乾燥を完了させた。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0120] [000139]有機溶液(0.3重量%のTMC/Isopar G溶液50mL)を、フレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間そこに保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを(垂直に)傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。]
[0121] [000140]膜をガラスプレートによって(4つの角部において)締着し、エアナイフを用いて膜表面を乾燥した。]
[0122] ]
[0123] 実施例B
[000141]連続被覆プロセス:LTA(300nm)の水性分散液を、実験室バッチ反応において用いたものと同様の組成の水溶液(4重量%MPD)に加えた。最終的な溶液の濁度は21比濁計濁度単位(NTU)であった。全ての他の溶液及び処理条件は変化させなかった。この連続プロセスは、真空を短く適用して、これによって支持体膜の表面においてLTA粒子の濃縮をもたらすことを含んでいた。]
[0124] ]
[0125] 実施例C:
[000142]DI水中の4.0重量%のMPD、4.5重量%のTEACSA、及び0.2重量%のSLSの2つの水溶液を調製し、一方には0.05重量%のLTA(直径80nm)も含ませた。LTAを含む溶液を30分間超音波処理した。0.3重量%のTMCを含むIsopar G溶液も調製した。]
[0126] [000143]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、IP反応が起こる領域を形成した。
[000144]上記で記載したようにして調製したMPD水溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0127] [000145]フレームを取り外し、少なくとも4分間水平に放置した。その時点で表面水の殆どは蒸発していた。次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて膜表面の乾燥を完了させた。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0128] [000146]有機溶液(0.3重量%のTMC/Isopar G溶液50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを(垂直に)傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。]
[0129] [000147]次に、膜を95℃において6分間乾燥した。]
[0130] ]
[0131] [000148]金属放出性ナノ粒子:
実施例D:
[000149]水性分散液中のテンプレートを含まないゼオライトLTAナノ粒子は、ミクロ流動化器内で衝撃、キャビテーション、及び剪断力にかけた後にアルミニウム含量を有することが分かった。二重蒸留水を用いて約39重量%のLTAを含む分散液を調製した。ICP分析を用いて測定すると、この溶液は130.9ppmのアルミニウム含量を有していた。このアルミニウム含量は、実施例5において示すデータに基づく水性分散液中のアルミニウム溶解と関連すると思われる。テンプレートを含むゼオライトLTAナノ粒子の同様の分散液(5%)は、2.9ppmのアルミニウム含量を示した。]
[0132] 実施例E:
[000150]表1に示すように、2つの異なる方法によって調製したゼオライトLTA(0.05重量%)は、数日間実験室振盪機台の上で振盪すると、2つの異なるSi:Al比、及び約20℃の室温において二重脱イオン(DDI)水中において2つの異なる溶解度を与える。同じほど長くは試験してはいないが、ゼオライトFAU(0.05重量%)はゼオライトLTAデータと合致する結果を示す(表1)。]
[0133] ]
[0134] 実施例F:
[000151]表2に示すように、異なるSi:Al比を有するナノ粒子から製造される膜は、gfd(一日あたり膜の1平方フィートあたりのガロン数)で表す異なる流束を有する。膜は次のようにして製造した。]
[0135] [000152]DI水中の4.0重量%のMPD、4.5重量%のTEACSA、及び0.2重量%のSLSの2つの水溶液を調製し、一方には0.05重量%のゼオライトナノ粒子も含ませた。ナノ粒子を含む溶液を30分間超音波処理した。0.3重量%のTMCを含むIsopar G溶液も調製した。]
[0136] [000153]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、IP反応が起こる領域を形成した。
[000154]上記で記載したようにして調製したMPD水溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0137] [000155]フレームを取り外し、少なくとも4分間水平に放置した。その時点で表面水の殆どは蒸発していた。次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて膜表面の乾燥を完了させた。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0138] [000156]有機溶液(0.3重量%のTMC/Isopar G溶液50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを(垂直に)傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。]
[0139] [000157]次に、膜を95℃において6分間乾燥した。]
[0140] ]
[0141] 同等の条件下での他の実験においては、ゼオライト濃度を0.1重量%に増加すると、流束の上昇は50%であった。
実施例G:
[000158]連続被覆プロセスにおいて、水中のLTAの5%溶液を5分間超音波処理し、次に20分間ミクロ流動化し、一晩撹拌することによって調製したLTAの水性分散液を、4%のMPD、4.5%のTEACSA、及び0.2%のSLSの水溶液に加えた。Isopar G中の0.3%TMCの有機溶液も調製した。連続プロセスは、実施例Fで詳しく説明したものと同じ工程及び順番の溶液被覆、除去、及び乾燥にしたがった。]
[0142] ]
[0143] [000159]全ての性能データは、他に示さない限りにおいて、1時間運転した後に800psiで試験したDI水中のNaCl(32,000ppm)についての平坦シートの試験から得た。]
[0144] 実施例H:Al(acac)3:
[000160]DI水中の4.0重量%のMPD、4.5重量%のTEACSA、及び0.2重量%のSLSの水溶液を調製した。また、0.3重量%のTMC及び0.25%のAl(acac)3を含むIsopar G溶液も調製し、60分間超音波処理した。]
[0145] [000161]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、界面重合反応が起こる領域を形成した。]
[0146] [000162]上記で記載したようにして調製したMPD水溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0147] [000163]フレームを取り外し、4分間水平に放置した。その時点で表面水の殆どは蒸発していた。次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて膜表面の乾燥を完了させた。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0148] [000164]有機溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを(垂直に)傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。次に、膜を95℃において6分間乾燥した。第2の膜は上記のようにして製造したが、Isopar溶液はAl(acac)3を含んでいなかったので、膜を対照例として用いることができた。]
[0149] ]
[0150] 実施例I:太平洋の海水について試験したAl(acac)3:
[000165]上記のAl(acac)3の手順にしたがって、しかしながらAl(acac)3を0.1%のレベルで用いて膜を製造した。太平洋から採取した予備処理した海水について、平坦セル内で膜を試験した。]
[0151] ]
[0152] 実施例J:アルミン酸ナトリウム:
[000166]DI水中の3.2重量%のMPD及び0.5%のアルミン酸ナトリウムの水溶液を調製した。また、0.17重量%のTMCを含むヘキサン溶液も調製した。]
[0153] [000167]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、IP反応が起こる領域を形成した。
[000168]上記で記載したようにして調製したMPD水溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0154] [000169]フレームを取り外し、次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて計量供給して膜表面を乾燥した。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0155] [000170]有機溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを(垂直に)傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。]
[0156] [000171]第2の膜は上記のようにして製造したが、水溶液はアルミン酸ナトリウムを含んでいなかった。]
[0157] ]
[0158] 実施例K:クエン酸アルミニウム:
[000172]上記のアルミン酸ナトリウムの例におけるアミンにクエン酸を加えて、pHを7.5〜9の範囲にした。対照試料には酸を加える必要はなかった。]
[0159] ]
[0160] 実施例L:カンファースルホン酸アルミニウム:
[000173]上記のアルミン酸ナトリウムの例におけるアミンにカンファースルホン酸を加えて、pHを7.5〜9の範囲にした。使用する前に、形成した不溶の沈殿物を濾過した。対照試料には酸を加える必要はなかった。]
[0161] ]
[0162] 実施例M:AlCl3:
[000174]DI水中の3.2重量%のMPDの水溶液を調製した。また、0.17重量%のTMC及び0.3%のAlCl3を含むヘキサン溶液も調製し、60分間超音波処理した。]
[0163] [000175]湿潤状態のポリスルホン支持体の片を清浄なガラスプレート上に水平に配置した。次に、アクリルフレームを膜表面上に配置し、IP反応が起こる領域を形成した。
[000176]上記で記載したようにして調製した50mLのMPD水溶液をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、1分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを傾けることによって、溶液を排水した。]
[0164] [000177]フレームを取り外し、次に、膜をガラスプレートによって4つの角部において締着した。エアナイフを用いて計量供給して膜表面を乾燥した。他の清浄で乾燥したアクリルフレームを用いて膜を再びフレームで囲み、1分間水平に保持した。]
[0165] [000178]有機溶液(50mL)をフレームで囲まれた膜表面上に注ぎ入れ、2分間保持した。溶液がフレームから滴下しなくなるまでフレームを垂直に傾けることによって、溶液を排水した。アクリルフレームを取り外し、膜を1分間水平に保持した。]
[0166] [000179]第2の膜は上記のようにして製造したが、ヘキサン溶液はAlCl3を含んでいなかった。]
[0167] ]
[0168] 実施例N:すすぎの効果:
[000180]上記のAl(acac)3の手順にしたがい、しかしながらAl(acac)3を0.2%のレベルで用いて2つの膜を製造した。一方は、試験前に0.2%炭酸ナトリウム溶液中ですすいだ。]
[0169] ]
[0170] 実施例O:混合プロセスの効果:
[000181]Al(acac)3の例にしたがい膜を製造した。唯一の相違は有機溶液を10分間しか超音波処理しなかったことであった。第2の膜は60分間機械的に撹拌した有機溶液を用いて製造した。超音波処理は用いなかった。対照試料はAl(acac)3を存在させずに製造した。]
[0171] ]
[0172] 実施例P:接触角:
[000182]実施例Hの方法にしたがって膜を製造し、Al(acac)3を用いずに第2の膜を製造した。次に、DI水による膜の接触角を測定した。]
[0173] ]
[0174] [00183]支持体膜12内のナノ粒子によって放出される可溶性アルミニウム17は、識別層24を形成するための処理中に、水性相14を支持体膜12に適用するまで湿潤状態に保持する膜12の表面上の水中で得ることができる。その結果、可溶性Al(17)は、識別層24を形成する有機相と水性相(18と14)との間の界面重合中に水性相14中で得ることができる。以下の実施例を用いて、向上した流束流が、図3においてAl又はAl効果19として示される識別層24を形成する界面重合中の水性相中の可溶性Al(17)の存在の結果であることを示す。] 図3
[0175] 実施例Eはナノ粒子からの可溶性アルミニウムの放出を示し、一方、実施例Jは、逆浸透において用いるのに好適な得られる膜の流束及び除去特性に対する、界面重合中の水性相中の可溶性アルミニウムの効果を示す。]
[0176] 実施例Q:可溶性アルミニウムの放出:
[000184]水性分散液中のテンプレートを含まないゼオライトLTAナノ粒子は、ミクロ流動化器内で衝撃、キャビテーション、及び剪断力にかけた後に、アルミニウム含量を有することが分かった。二重蒸留水を用いて約39重量%のLTAを含む分散液を調製した。ICP分析を用いて測定すると、溶液は130.9ppmのアルミニウム含量を有していた。]
[0177] 実施例R:
商業的スケールの膜の製造:
[000185]連続被覆プロセスにおいて、実施例2のアミン溶液及び0.075%のGa(acac)3を含む有機溶液を用いて膜を製造した。水溶液及び有機溶液に関する接触時間は約15秒であった。他の溶液及び処理条件は実施例におけるものと同様であった。]
[0178] ]
[0179] 実施例S:純度の効果:
[000186]2つの異なるロットのTMCを用いて、上記のクエン酸アルミニウムの例における方法によって2つの膜を製造した。一方は純度約99.5%であり、他方は純度約98.5%(供給元からの純度)であり、微量のモノ、ジ、及びトリ加水分解TMCを含んでいた。]
[0180] [000187]いずれかのTMCのロットを用いた対照膜は同等の性能を与え、下記の「対照」データに平均化した。]
[0181] ]
[0182] セクションB:複合体膜:
[000188]ここで図18〜26及び表I〜XIIを概して参照すると、添加剤及び技術の種々の組みあわせによって、例えば汽水及び塩水の精製において用いるための順浸透及び逆浸透のための実質的に優れたTFC膜が与えられるという本発明者らの発見が要約されている。かかる膜は、向上した流束性能及び抗ファウリング性を有し、高い除去特性を保持する。特に、上記に示した添加剤としてナノ粒子及び可溶性金属イオンを用いることでの進歩に加えて、以下の添加剤を単独及び種々の組み合わせで、並びに以下の技術を単独又は組み合わせて用いることで実質的な進歩がなされた。] 図18 図19 図20 図21 図22 図23 図24 図25 図26
[0183] ・抗ファウリング性を増加させ、ファウリングによる時間に伴う流束の損失を減少させるための種々の添加剤と組み合わせたナノ粒子の使用;
・除去特性を大きく損失することなく流束を増加させるための添加剤の組みあわせの使用;
・偏向点の監視を含む、添加剤としてのモノ加水分解TMCの使用;
・添加剤としてのアルカリ土類金属の使用;
・他の分子添加剤の使用;
・添加剤としてのナノチューブの使用;
・より高い濃度のTMCの使用;
・MPD/TMCのより低い比の使用;並びに
・対照膜と比較したかかる添加剤及び組み合わせの向上率(%)の監視。]
[0184] [000189]セクションCの表I〜XIIは、種々の添加剤及び組み合わせの使用範囲内の点、濃度、及び範囲を確認するために、単独か又は組み合わせて用いた種々の添加剤の172の更なる実施例を与える。]
[0185] [000190]特に、上記したように、界面重合した膜の水性相中において、テンプレートを含まないゼオライトLTAナノ粒子のような添加剤、及びアルミン酸ナトリウムのような金属イオンを組み合わせることによって、同様の膜において単独の添加剤を用いても容易に達成することができない有利性が与えられる。同様に、有機相の層中において、ゼオライトLTAナノ粒子を、少量のモノ及び/又はジ加水分解TMCと組み合わせて用いると、ナノ粒子とモノ及び/又はジ加水分解TMCとの間の相互作用によって、いずれかを単独で用いた場合には観察されない利益を与えることができる。]
[0186] [000191]更に、アルカリ土類金属及び他の分子添加剤を、単独か、或いは他の添加剤と組み合わせて、及び/又は上記記載の技術、濃度、及び範囲で用いると、高い流束、高い除去率、及び増加した抗ファウリング性を有する複合体TFC膜が与えられる。アルカリ土類金属はRO膜において添加剤として用いられておらず、また作用するとは考えられていなかったが、本発明者らは、驚くべきことにこれらが実際には増加した膜透過性で非常に良好に作用させることができることを見出した。アルカリ土類金属はまた、一群として豊富で、低コストで、処理において用いるのが容易である。マグネシウム、カルシウム、及びストロンチウムなどのこの群の構成元素もまた、環境的に無害で、ゼオライトナノ粒子からの対イオンとして得ることができる。モルデン沸石及びフェリエ沸石は、カルシウム又はマグネシウムの交換可能な対イオンを有するゼオライトの2つの例である。]
[0187] [000192]複合ナノ複合体膜は、薄膜複合体又はTFC膜の下位概念として考えることができ、ここでは、識別層のポリマー相はいずれもナノ粒子を含み、1種類以上のこれらの添加剤を用いることによって変性されている。複合ナノ複合体TFC膜は、ナノ粒子及び/又は1種類以上の添加剤の存在下で形成される界面で製造される膜であり、下層、通常は限外濾過又は精密濾過膜によって支持されている、ナノ粒子及び/又は添加剤、並びにポリマー、ナノ粒子、及び添加剤の混合マトリクス膜を与える。]
[0188] [000193]ナノ粒子と他の添加剤との組み合わせを加えて複合ナノ複合体TFC膜を形成することによって、ファウリング、則ち精製する海水又は他の物質による汚染による時間に伴う流束の損失に対する実質的に増加した抵抗性を与えることができる。]
[0189] [000194]今までに確認されている種々の膜添加剤及び技術の他の有利性としては、以下のもの:
・個々の添加剤を含む膜を用いる場合と比較して実質的に増加した流束;
・添加剤として少量のmhTMCを加えることによって実質的に増加した流束;
・単一の添加剤としては劣る性能を有する添加剤による実質的な流束及び除去性能;及び
・単一の添加剤としては劣る除去特性を有する添加剤に関する実質的に増加した除去率;
を挙げることができる。]
[0190] ファウリング:
[000195]ここで、一般的にファウリングに関すると、幾つかの場合において、複合ナノ複合体TFC膜を用いて、汚染水と接触する膜表面上に蓄積して、膜の有効透過性を減少させる、例えば時間に伴って膜流束を減少させる傾向を有する物質を含む水を脱塩することができる。これらの物質としては、天然の有機物質、部分的に不溶の無機物質、有機界面活性剤、沈泥、コロイド状物質、バイオフィルムなどの微生物種、並びにタンパク質、多糖類、核酸、代謝産物などのような微生物種から分泌又は放出される有機物質を挙げることができるが、これらに限定されない。この透過性又は膜流束の低下は、ここで開示するようにして製造される膜に関しては、蓄積物質の減少した量、密度、生存力、厚さ、及び/又は性質のために、従来の技術によって製造される膜に関するものよりもしばしば小さい。親水性、電荷、及び粗さのような膜の表面特性は、しばしばこの蓄積及び透過性の変化に影響を与える。一般に、高親水性で、陰電荷を帯び、平滑な表面を有する膜は、良好な透過性、除去率、及びファウリング挙動を与える。ゼオライトLTAナノ粒子のようなナノ粒子を加えると、粗さが減少し、カルボキシレート基を加えることなく陰電荷が増加し、接触角が減少することが示された。]
[0191] [000196]また、ナノ粒子を加えて、良好な除去率を保持しながら膜透過性を増加させ、及び/又は薄膜又は支持体層の機械強度を向上させることもできる。
[000197]分子添加剤は、純粋なポリマーTFC膜の性能を変化させるために用いられている。しかしながら、これらの改良によって、特に膜を例えば海水の脱塩中に高い圧力及び塩分濃度で用いる場合には、しばしば変化したファウリング性状又は減少した除去率を有する膜がもたらされた。]
[0192] [000198]複合体膜、則ちナノ粒子、並びに可溶性イオン、有機金属化合物、リガンドを有するか又は有しない無機添加剤、及び/又はmhTMCのような添加剤を含む膜によって、膜の全流束、除去率、及びファウリング特性を向上させる新しい設計の柔軟度が可能である。下記に議論する幾つかの場合は、複合体膜技術を適用することによって認識することができる範囲の利益を示すことを意味し、特許請求の範囲によって与えられるこの用途の範囲を限定することは意味しない。]
[0193] [000199]一部のナノ粒子は、特定の処理条件下において、膜のファウリングに対して大きな効果を有する可能性があるが、膜の流束に対しては少しの効果しか有しないか又は効果を全く有しないか或いは少なくとも不十分な影響を有する可能性がある。かかる場合においては、分子添加剤を膜に加えて、TFC膜が例えばナノ粒子によって与えられる抗ファウリング性の利益を保持することを可能にしながら、流束の更なる増加を与えることができる。]
[0194] [000200]ここで特に表IX:ファウリング試験を参照すると、実施例119は、0.1%のナノ粒子ゼオライトLTAを有機相に加えて、その後、水性相との界面重合又はIFPを行って支持体層上に識別層を形成し、薄膜ナノ複合体又はTFC膜を形成した他の実験に基づく。]
[0195] [000201]実施例12の方法を用いて膜を製造した。膜を、天然の海水を模擬するように配合した32,000ppmの塩ブレンド(Instant Ocean)を有するDI水の供給溶液について運転した。試験中にわたって、温度を25℃に保持し、800psiの圧力を用いた。この試験中は、濾過は用いないで、無機及び有機コロイドがシステムを通して再循環して、生体物質が成長するようにした。試験開始の1時間後、及び連続運転の47時間後に再び性能データを取った。]
[0196] [000202]ナノ複合体TFC膜は22.5GFDの流動速度を有しており(これは同じようにして、しかしながらナノ粒子添加剤を用いずに製造した対照膜を凌ぐ向上ではない)、98.5%の塩除去率を有していた。約2日後において、流束はファウリングによって22.5GFDで維持された。]
[0197] [000203]実施例120は、特定の分子添加剤:Ga(acac)3が30.8GFDの妥当な全流束流を与え、添加剤を用いない対照例に対して約36%の流束の向上を与え、99.5%を超える非常に良好な塩除去率を保持したことを示す。しかしながら、Ga添加剤膜は、ファウリング試験の47時間後に劣る流束性能を示し、その流束容量のほぼ半分を損失した。]
[0198] [000204]実施例121は、LTAのようなナノ粒子をGa(acac)3のような分子添加剤と組み合わせて、いずれかの添加剤を別々に用いることによって与えられるものよりも優れた品質を有する改良された複合体TFC膜を形成する、複合体TFC膜のアプローチの有益性の1つを示す。特に、複合体LTA・Ga膜は、塩除去率において僅かな損失しか与えずに、31.9GFDの流束(これは対照例よりも約41%大きい向上である)を与えた。流束の更なる増加は、Ga(acac)3添加剤の36%の流束の増加と比較すると更に14%のオーダーであった。おそらくは更により重要なことには、47時間の試験後の流動速度は27.3GFDであり、則ち流束の損失は47時間の試験後に僅か17%であった。この結果、複合体TFC膜は、その可溶性添加剤、この場合にはGa(acac)3の流束の向上、及びLTAナノ粒子の抗ファウリング性を実質的に有する。]
[0199] [000205]ここで図25を参照すると、減少した時間に伴う流束の損失の簡単なグラフが示されており、ここでは、LTA単独は、低い流束の向上を低いファウリングによる流量損失と共に示し、Ga添加剤単独は、高い流束の向上を相当なファウリングによる流束損失と共に示し、一方、複合体は両方の添加剤の最良の結果、則ち高い流束の向上を低いファウリングによる流束損失と共に示す。また、添加剤単独を含むTFC膜はナノ複合体TFC膜よりも低い流束を有し、一方、ナノ複合体TFC膜は、僅か2日において約21%のナノ粒子複合体TFC膜に対する流束の向上を示す。流束の低下速度は、従来の膜においては時間と共に減少する傾向があるが、ナノ粒子複合体TFC膜は、単一の添加剤を用いる同様の膜又は従来の膜よりも20〜100%高い向上を保持すると期待される。] 図25
[0200] 増加した流束:
[000206]個々の添加剤を用いる膜と比較して増加した流束に関し、ここで表II、IIA.2、及びIIA.3を特に参照すると、一部のナノ粒子及び他の添加剤は、より大きな応答が所望される場合には、それ単独で流束の適度な増加を与えることができる。かかる場合においては、複合体膜技術を用いて、最良の総合的な性能を有する膜を製造することができる。]
[0201] [000207]ここで実施例25を参照すると、99.17%の除去率において26.2GFDの流束を与える、ナノ複合体TFC膜を形成する界面重合のために有機相と接触させる前の水性相中の特定のナノ粒子の濃度、この場合にはゼオライトLTAの0.05%の濃度を用いることが示される。流動速度はナノ粒子を用いないで製造した対照膜に対して16%の向上を与え、これは特にナノ粒子の他の有益性を考慮すると幾つかの場合においては有用である可能性がある。しかしながら、実質的に更なる流束の向上がしばしば望まれる。]
[0202] [000208]ここで実施例30を参照すると、水性相と接触させる前に、有機相中に0.058%の濃度のSr(f6(acac)2のような分子添加剤を加えることによって、29.7GFDの流束を与えるTFC膜を製造することができる(これは31%の流束の向上であり、表中の実施例25の16%の流束の向上のほぼ2倍である)。]
[0203] [000209]ここで実施例2を参照すると、LTAとストロンチウム添加剤との組み合わせによって、99.57%の非常に良好な塩除去率を与えながら、36.8GFDの流束において対照膜に対して63%の向上を有する複合ナノ複合体TFC膜を与えることができる。]
[0204] 添加剤としてのmhTMC:
[000210]ここで図18〜21を参照すると、モノ加水分解TMC又はmhTMC16を、添加剤として、単独か又はナノ粒子若しくはアルカリ希土類金属、又は他の分子添加剤のような他の添加剤と組み合わせて、界面重合中に水性相14と接触させる前に有機相の層18中に溶解させて、例えば塩水26を精製する逆浸透中にTFC膜10を用いる場合の流束を増加させ及び/又は除去特性を向上させることができる。] 図18 図19 図20 図21
[0205] [000211]モノ加水分解TMC16は、Cl結合基の1つが結合OH基によって置換されている塩化トリメソイル又はTMCの分子である。ジ加水分解塩化トリメソイル及びトリ加水分解塩化トリメソイル(則ちトリメシン酸)は、しばしば加水分解されたTMC中に低いレベルでモノ加水分解TMCと同伴する。トリ加水分解塩化トリメソイルは、有機相18中に不溶であることが明らかで、除去特性を犠牲にしてTFC膜10における流束を増加させるように働かせることができる汚染物質であると考えられる。ジ加水分解塩化トリメソイルの特性は明確には理解されていないが、現時点においてはTFC膜の流束及び除去特性に対して実質的に有益であることは明らかではない。これにより一般通念が何故汚染されたTMCを避けることを教えているかを説明することができる。]
[0206] [000212]しかしながら、界面重合反応中に、少量のモノ加水分解TMC(1−カルボキシ−3,5−ジクロロホルミルベンゼン)及び場合によっては若干のジ加水分解TMC(1,3−ジカルボキシ−5−クロロホルミルベンゼン)を有機相の層18中に存在させることが有益である可能性がある。有機相の層18中のモノ及び/又はジ加水分解TMCとTMCとの比は、好ましくは約0.1/100〜10/100、より好ましくは0.5/100〜5/100の範囲である。この不純物はナノ粒子と相互作用し、識別膜24の薄いポリマー膜内に整列された導水路及び/又は他のメカニズムを形成して、向上した水流束を与える可能性ことができる。]
[0207] [000213]性能又は可溶性を変化させるためには、酸形態に代えてモノ加水分解TMC16の塩を用いることができる。好ましい塩は、ジ、トリ、又はテトラメチル、エチル、プロピル、又はブチル誘導体のような置換アミンから形成されるものであってよい。]
[0208] [000214]モノ加水分解塩化トリメソイル又はmhTMCに加えて、他の部分的に加水分解された反応物質も、流束を向上させる点で有効である可能性がある。例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボニルトリクロリド;1,2,3−ベンゼントリカルボニルトリクロリド;及びトリカルボニルクロリド置換ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又は他の芳香環のモノ加水分解型。トリカルボニルクロリド置換環式脂肪族環、又は二環脂肪族も含まれる。3より高い置換度のカルボニルクロリドも、少なくとも2つのカルボニルクロリド基が残留して重合を起こすことができる限りにおいて、ジ又はより高級に加水分解されていてよい。]
[0209] [000215]ここで記載する実施例に関しては、モノ加水分解TMCは、以下により詳細に議論するように、下記に記載する方法によって表I〜XIIにおいてロット1及び2と示す2つのロットで合成した。同様の方法を用いて他のモノ加水分解ポリハロゲン化物を合成することができる。]
[0210] [000216]TMCを、触媒としてDMFを用いて、塩化チオニル中において還流することによって精製した。不純物を真空下で除去した。次に、精製したTMCを塩化メチレン中に溶解し、0℃においてWang樹脂(反応性ヒドロキシル基を有する商業的に入手できる固相ポリマー)と反応させた。希釈トリエチルアミンを2時間かけて滴加し、次に溶液を室温にゆっくりと一晩加温した。過剰の試薬を過剰の塩化メチレンで洗い流した。トリフルオロ酢酸による開裂によって、モノ加水分解TMCを単離させた。単離した固体の1H−NMRを用いて、化合物の同一性及び純度を確認した。重水素化トルエン中でNMR分析を行い、図21に示す。合成されたmhTMCの存在が確認される。] 図21
[0211] [000217]モノ加水分解TMC16の好ましい濃度は、有機層18中において0.005重量%〜5重量%、より好ましくは0.025%〜0.25%である。モノ加水分解TMCの量はまた、TMCの量との比で比較することもできる。好ましいTMC/モノ加水分解TMCの比は、50:1未満、25:1未満、15:1未満、5:1未満、又は1:1未満である。これに関して、高いTMC濃度においては、匹敵する流束の増加を見るためにはより多くのモノ加水分解TMCが必要である可能性があることが分かる。溶液を超音波処理することが有益である可能性がある。超音波処理は、モノ加水分解TMC16を有機溶液18中により良好に分散させるように働かせることができる。また、超音波処理は、用いない場合には起こすのにより高い温度、触媒、又は開始剤が必要な反応を進行させるように働かせることもできる。また、共溶媒を用いてモノ加水分解TMCをより良好に溶媒和することが有用である可能性もある。好ましい共溶媒は、希釈する前にモノ加水分解TMCの明澄な溶液を形成することができるものである。ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、又はエチルベンゼンなどの芳香族溶媒が特に好ましい。これらの共溶媒は、好ましくは膜の特性に悪影響を与えない十分に低い濃度で用いる。]
[0212] [000218]ここで図19〜20を参照すると、mhTMCは、界面重合による製造中に、RO膜10の多孔質支持体12上において水性相14と接触させる前に有機相18に添加剤として適用して、TFC膜10の識別層を形成することができる。他の添加剤を、有機又は水性相、或いは支持体又は布帛層12又は20に加えることができる。親水性層30を識別層24に適用して、海水26を加圧下でTFC膜10に適用して精製水28を製造することができるようにすることができる。] 図19 図20
[0213] [000219]合成されたモノ加水分解TMCの純度は、NMRスペクトルから評価することができる。NMR実験のためには、粗及び精製モノ加水分解TMCを重水素化アセトン中に溶解する。純度の計算は、トリメシン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリド、モノ加水分解TMC、及びジ加水分解1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリドの相対量を見ることによって行うことができる。次に、これらの値から、通常は合成からの不純物である関係のないNMRピークを減じることができる。]
[0214] [000220]ここで再び図21を参照すると、1H−NMRを用いることによってモノ加水分解TMCの同一性及び純度を確認することができる。モノ加水分解TMCを合成した後、得られた生成物をこの分析のために重水素化トルエン又は重水素化アセトン中に溶解することができる。8.6ppmにおける二重線は、カルボニルクロリド及びカルボン酸基の両方に隣接する2つの芳香環プロトンに対応する。このピークの積分面積:1.99は、2つのプロトンが存在するので8.4ppmにおける三重線の2倍である。8.4ppmにおける三重線は、2つのカルボニルクロリド基の間の単一の芳香環プロトンに対応する。この化合物の純度は、これらのプロトンの積分面積と、非加水分解TMC、ジ加水分解TMC、及びトリメシン酸のものとを比較することによって調べることができる。] 図21
[0215] [000221]ここで図26を参照すると、膜の性能が、純度に関して調節したmhTMCの濃度の関数としてグラフで示されている。特に、mhTMCに関する表I〜XII中の記載事項は、用いた合成mhTMCの実際の濃度を反映しており、これによりmhTMCの源、則ち合成ロット1か2かが識別される。図26中のグラフの線は、合成mhTMCの見積もられた純度に関して調整している。ロット1及び2に関するデータは、トルエン中に溶解可能な物質の単純な割合などの、NMRアッセイに基づく合成mhTMCの見積り濃度に関して調整している。図26は、ロット1(純度80%のmhTMC)及び2(純度25%のmhTMC)に関するGFD及び塩除去率の関数としての調整濃度の視覚表示、並びに濾過してより多くの汚染物質を除去したロット2の一部に関する別のプロットラインを与える。] 図26
[0216] [000222]濾過プロセスによって、塩除去率が大きく向上し、流束は少ししか減少しなかった。残留する汚染物質は、除去率に対して大きな損傷を与えない低い値である場合には流束流を向上させると思われるが、興味深い値である約99.5%の塩除去率においては、更なる汚染物質はより大きな速度においては除去率を損ない、流束を僅かしか改良しない。他の偏向点は約0.020%又は0.0215%において見られ、ここでは流束が劇的に上昇し、除去率が劇的に低下する。これは、膜の割れ目又は裂け目又は幾つかの他の劣化を示している可能性がある。チャートのこれらの領域は、汚染物質流束向上区域、汚染物質除去率減少区域、及び汚染物質損傷区域として特徴づけることができる。]
[0217] [000223]特に、ロット1の合成mhTMCが純粋なmhTMCの約80%の濃度を有すると見積もられたことを反映するように調整したロット1に関するグラフの線は、0%の濃度、則ち対照膜の濃度における24GFDから、偏向点であると思われる点で調整した約0.0075%の濃度における約32.1GFDへの増加した流束を示した。流束は上昇し続けたが、約0.0215%の調整mhTMC濃度における次のデータ点での39.7GFDに達するまで僅かに遅い割合で上昇し、次に0.2050%の調整濃度における45.1GFDに劇的に上昇した。調整したロット1の除去特性は、対照膜の0%濃度において除去率99.8%と非常に良好であり、偏向点の約0.0075%の調整mhTMC濃度での除去率約99.60%における同様の偏向点を有していた。その後、除去率は約0.0150%の調整濃度における99.11%を通って、約0.0250%の濃度において96.20%に低下する前に0.02125%において98.60%に減少し続けた。]
[0218] [000224]結果として、0%からおそらくは0.0150%の調整濃度に増加することによって、非常に有用な膜性能が与えられ、約0.02%〜約0.02125%の高さの濃度は同じ条件において有用であるが、このレベルより高い濃度は、劇的に増加する流束と共に、膜に対する損傷を示すことが示唆される。最適な点は、約0.0075%の調整mhTMC濃度における偏向点の近傍、おそらくは0.0050%〜0.01%の調整濃度の間であると思われる。実際の最適な点は、実験によって決定する必要がある可能性がある。]
[0219] [000225]ここで、濾過しない純粋なmhTMCの見積もられた25%の濃度を反映するように調整したロット2に関するグラフの線を参照すると、増加する流束が0%mhTMCの対照膜濃度の17.2GFDから、約0.0050%の調整濃度における30GFDの少し下まで劇的に上昇することが示され、この点で流束が安定して約0.0150%の調整濃度において31GFDにしか達しなかった。その後、流束は0.0250%の調整濃度における約37.5GFDまで上昇した。]
[0220] [000226]調整し濾過したロット2の流束特性は、流束が0%における17.2GFDから、ロット1からのより高純度のmhTMCと概して平行に、0.0075%の調整mhTMC濃度の偏向点における26.4GFDに適度に線状に上昇し、0.0150%の調整濃度における約31.9GFDにおいて未濾過のロット2のグラフの線に実質的に交わった。調整し濾過したロット2の流束上昇線の組み合わせが実質的に互いに交わり、ロット1に関するより高純度の試料に関する流束上昇線と概して平行に走るという事実は、試験における良好な整合性を示す。]
[0221] [000227]調整し濾過したロット2の除去特性は、0%濃度における対照膜の約40GFDの除去率から、mhTMCの約0.0075%の調整濃度におけるロット1に関する同じ偏向点へ僅かな減少を示し、約0.0150%の調整濃度における約99.11%までロット1に追随する。両方のロットにおいて偏向点の指示値が一致することは、偏向点が概して同じ範囲内にあることを強く示している。単独か又はナノ粒子、アルカリ土類金属、又は他の分子添加剤のような他の添加剤と共に用いるmhTMC添加剤の濃度の商業的な実用純度は決定されていないが、ここで開示する技術にしたがってmhTMC及び他の添加剤並びに添加剤の組み合わせの最適の添加剤濃度に関する適切な偏向点を決定することは、実験の問題である。]
[0222] [000228]理論に縛られることは意図しないが、偏向点として定められている濃度における縦線の左側の領域は、ここで開示する添加剤が増加した流束を促進させ、一方、残りの汚染物質が、それらがTFC膜の界面重合薄膜識別層の形成又は構造に影響を与える範囲で、実質的に除去特性を減少させることなくTFC膜の流束特性を多かれ少なかれ増加させるように働く濃度の範囲である。この領域は、便宜上、汚染物質流束向上区域と示した。偏向点の後は、かかる汚染物質の効果は流束の上昇に対してはあまり有益でない効果を有するが、膜の除去特性に対して実質的な損失を与え始め、したがって汚染物質除去率減少区域と示した。汚染物質の影響は1種類又は複数の添加剤の濃度を増加させるにつれて増加し続けるので、汚染物質が純水及び除去する物質の両方の通過を増加させて膜に対する損傷又は他の損害を示す点(0.02125%の調整濃度において示される)に達する。]
权利要求:

請求項1
多孔質支持体膜上で、(a)1,3−ジアミノベンゼンを含む第1の溶液;及び(b)塩化トリメソイルを含む第2の溶液;を接触させ、ここで溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含み;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む、高透過性RO膜を製造するための界面重合方法。
請求項2
(a)が水中によく分散したゼオライトLTAナノ粒子を含む、請求項A1に記載の方法。
請求項3
(b)が、水と非混和性の有機溶媒中によく分散したゼオライトLTAナノ粒子を含む、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
ナノ粒子が3未満の多分散度を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
請求項5
ナノ粒子が、アルミナイト、ミョウバン石、アンモニアミョウバン、アノーキサイト、アプジョーン石、塩基アルミナ石、バタバイト、ボーキサイト、バイデライト、ベーマイト、キャドウエルドライト、カルデナイト、銅アルミナ石、キオライト、塩化アルミナ石、氷晶石、ドーソナイト、ダイアスポア、ディッカイト、ゲアルクスタイト、ギブス石、ハロイサイト、加水塩基アルミナ石、ハイドロカルマイト、ハイドロタルサイト、イライト、カリナイト、カオリナイト、蜜ロウ石、モンモリロナイト、ソーダミョウバン石、ノントロン石、パクノライト、ブドウ石、プロソパイト、ラルストナイト、ランソマイト、サポナイト、トムセン石、ウェベライト、ウッドハウス石、及び亜鉛アルミナ石からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
請求項6
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
請求項7
多孔質支持体膜上で、(a)1,3−ジアミノベンゼンを含む第1の溶液;及び(b)塩化トリメソイルを含む第2の溶液;を接触させ、ここで溶液(a)及び(b)の少なくとも一方は、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含み;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む方法によって製造され、膜表面積の少なくとも20%はナノ粒子から構成される、高透過性逆浸透膜。
請求項8
多孔質ポリスルホン支持体を更に含み、ゼオライトLTAナノ粒子が支持体と膜との間に配置されている、請求項B1に記載の膜。
請求項9
ナノ粒子が3未満の多分散度を有する、請求項7又は8に記載の膜。
請求項10
ナノ粒子が、アルミナイト、ミョウバン石、アンモニアミョウバン、アノーキサイト、アプジョーン石、塩基アルミナ石、バタバイト、ボーキサイト、バイデライト、ベーマイト、キャドウエルドライト、カルデナイト、銅アルミナ石、キオライト、塩化アルミナ石、氷晶石、ドーソナイト、ダイアスポア、ディッカイト、ゲアルクスタイト、ギブス石、ハロイサイト、加水塩基アルミナ石、ハイドロカルマイト、ハイドロタルサイト、イライト、カリナイト、カオリナイト、蜜ロウ石、モンモリロナイト、ソーダミョウバン石、ノントロン石、パクノライト、ブドウ石、プロソパイト、ラルストナイト、ランソマイト、サポナイト、トムセン石、ウェベライト、ウッドハウス石、及び亜鉛アルミナ石からなる群から選択されるゼオライトである 、請求項7〜9のいずれかに記載の膜。
請求項11
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項7〜10のいずれかに記載の膜。
請求項12
多孔質支持体膜上で、(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;を接触させ、ここで重合反応中に分子添加剤化合物を溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む、高透過性RO膜を製造するための界面重合方法。
請求項13
金属が、周期律表(IUPAC)の第2族から選択される元素である、請求項12に記載の方法。
請求項14
金属が、マグネシウム、カルシウム、又はストロンチウムである、請求項12に記載の方法。
請求項15
金属が、周期律表(IUPAC)の第3〜14族及び3〜6行からなる群から選択される元素である、請求項12に記載の方法。
請求項16
金属が、周期律表の第3〜15族及び3〜6行からなる群から選択される元素である、請求項12に記載の方法。
請求項17
金属が、アルミニウム、ガリウム、インジウム、バナジウム、モリブデン、ハフニウム、コバルト、ルテニウム、鉄、クロム、カドミウム、スズ、ベリリウム、パラジウム、イッテルビウム、エルビウム、プラセオジム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、又はストロンチウムである、請求項12に記載の方法。
請求項18
β−ジケトネートがアセトアセトネートである、請求項12〜17のいずれかに記載の方法。
請求項19
(a)中のTMC濃度が0.2〜0.6%(w/w)である、請求項12〜18のいずれかに記載の方法。
請求項20
(a)中のTMC濃度が0.3〜0.5%(w/w)である、請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
請求項21
溶液(a)がモノ加水分解TMCを含む、請求項12〜20のいずれかに記載の方法。
請求項22
(b)中のTMCとモノ加水分解TMCとの比が50:1〜15:1である、請求項12〜21のいずれかに記載の方法。
請求項23
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が5〜35である、請求項12〜22のいずれかに記載の方法。
請求項24
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が5〜25である、請求項12〜23のいずれかに記載の方法。
請求項25
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が30〜35である、請求項12〜23のいずれかに記載の方法。
請求項26
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項12〜25のいずれかに記載の方法。
請求項27
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方が、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含む、請求項12〜26のいずれかに記載の方法。
請求項28
剪断、キャビテーション、又は衝撃力を用いてナノ粒子を粉砕又は部分的に溶解させて、界面重合混合物に寄与する可溶性金属種を最大にする、請求項12〜27のいずれかに記載の方法。
請求項29
ナノ粒子がミクロ流動化装置内で処理されている、請求項12〜28のいずれかに記載の方法。
請求項30
処理されたナノ粒子が200℃以上で少なくとも1時間か焼されている、請求項12〜29のいずれかに記載の方法。
請求項31
処理されたナノ粒子がアルミノケイ酸ナトリウムである、請求項12〜30のいずれかに記載の方法。
請求項32
(a)が塩化トリメソイルの有機炭化水素溶液を含み、(b)がメタフェニレンジアミンの水溶液を含む、請求項12〜31のいずれかに記載の方法。
請求項33
塩除去率が少なくとも99.5%である、請求項12〜32のいずれかに記載の方法。
請求項34
流束が少なくとも40gfdである、請求項12〜33のいずれかに記載の方法。
請求項35
膜表面積の少なくとも20%がナノ粒子から構成される、請求項12〜34のいずれかに記載の方法。
請求項36
多孔質支持体膜上で、(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;を接触させ、ここで重合反応中に分子添加剤化合物を溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む界面重合方法によって製造される高透過性逆浸透膜。
請求項37
金属が、周期律表(IUPAC)の第2族から選択される元素である、請求項40に記載の膜。
請求項38
金属が、マグネシウム、カルシウム、又はストロンチウムである、請求項40に記載の膜。
請求項39
金属が、周期律表(IUPAC)の第3〜14族及び3〜6行からなる群から選択される元素である、請求項40に記載の膜。
請求項40
金属が、周期律表の第3〜15族及び3〜6行からなる群から選択される元素である、請求項40に記載の膜。
請求項41
金属が、アルミニウム、ガリウム、インジウム、バナジウム、モリブデン、ハフニウム、コバルト、ルテニウム、鉄、クロム、カドミウム、スズ、ベリリウム、パラジウム、イッテルビウム、エルビウム、プラセオジム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、又はストロンチウムである、請求項40に記載の膜。
請求項42
β−ジケトネートがアセトアセトネートである、請求項36〜41のいずれかに記載の膜。
請求項43
(a)中のTMC濃度が0.2〜0.6%(w/w)である、請求項36〜42のいずれかに記載の膜。
請求項44
(a)中のTMC濃度が0.3〜0.5%(w/w)である、請求項36〜43のいずれかに記載の膜。
請求項45
溶液(a)がモノ加水分解TMCを含む、請求項36〜44のいずれかに記載の膜。
請求項46
(b)中のTMCとモノ加水分解TMCとの比が50:1〜15:1である、請求項36〜45のいずれかに記載の方法。
請求項47
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が5〜35である、請求項36〜46のいずれかに記載の膜。
請求項48
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が5〜25である、請求項36〜47のいずれかに記載の膜。
請求項49
(b)がMPDを含み、MPD/TMCの比が30〜35である、請求項36〜48のいずれかに記載の膜。
請求項50
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項36〜49のいずれかに記載の膜。
請求項51
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方が、溶液を最初に接触させる際によく分散したナノ粒子を含む、請求項36〜50のいずれかに記載の膜。
請求項52
剪断、キャビテーション、又は衝撃力を用いてナノ粒子を粉砕又は部分的に溶解させて、界面重合混合物に寄与する可溶性金属種を最大にする、請求項36〜51のいずれかに記載の膜。
請求項53
ナノ粒子がミクロ流動化装置内で処理されている、請求項36〜52のいずれかに記載の膜。
請求項54
処理されたナノ粒子が200℃以上で少なくとも1時間か焼されている、請求項36〜53のいずれかに記載の膜。
請求項55
処理されたナノ粒子がアルミノケイ酸ナトリウムである、請求項36〜54のいずれかに記載の膜。
請求項56
(a)が塩化トリメソイルの有機炭化水素溶液を含み、(b)がメタフェニレンジアミンの水溶液を含む、請求項36〜55のいずれかに記載の膜。
請求項57
塩除去率が少なくとも99.5%である、請求項36〜56のいずれかに記載の膜。
請求項58
流束が少なくとも40gfdである、請求項36〜57のいずれかに記載の膜。
請求項59
膜表面積の少なくとも20%がナノ粒子から構成される、請求項36〜58のいずれかに記載の膜。
請求項60
(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;を含み、ここで重合反応中にアルミニウムイオンを溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させ;そして低ファウリング性で高透過性のRO膜を回収する;低ファウリング性で高透過性のRO膜を製造するための界面重合方法。
請求項61
炭化水素溶液中の(b)中にアルミニウムイオンを存在させる、請求項68に記載の方法。
請求項62
(b)がアルミニウムアセトアセトネートを含む、請求項60又は61に記載の方法。
請求項63
製造後に、8以上のpHを有する水溶液で膜をすすぐ、請求項60〜62のいずれかに記載の方法。
請求項64
(a)がメタフェニレンジアミン化合物を含み、(b)が塩化トリメソイル化合物を含む、請求項60〜63のいずれかに記載の方法。
請求項65
多孔質支持体膜がナノ粒子を含む、請求項60〜64のいずれかに記載の方法。
請求項66
支持体が重合反応の前に約1時間保存されている、請求項60〜65のいずれかに記載の方法。
請求項67
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項60〜66のいずれかに記載の方法。
請求項68
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方が、溶液を最初に接触させる際によく分散されたナノ粒子を含む、請求項60〜67のいずれかに記載の方法。
請求項69
剪断、キャビテーション、又は衝撃力を用いて処理されたナノ粒子を粉砕又は部分的に溶解させて、界面重合混合物に寄与する可溶性金属種を最大にする、請求項60〜68のいずれかに記載の方法。
請求項70
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項60〜69のいずれかに記載の方法。
請求項71
多孔質支持体膜上で、(a)ポリアミンモノマーを含む第1の溶液;及び(b)多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む第2の溶液;を接触させることを含み、ここで重合反応中にアルミニウムイオンを溶液(a)又は(b)或いは両方の中に存在させる界面重合方法によって製造される、低ファウリング性で高透過性のRO膜。
請求項72
炭化水素溶液中の(b)中にアルミニウムイオンを存在させる、請求項83に記載の膜。
請求項73
(b)がアルミニウムアセトアセトネートを含む、請求項71又は72に記載の膜。
請求項74
製造後に、8以上のpHを有する水溶液で膜をすすぐ、請求項71〜73のいずれかに記載の膜。
請求項75
(a)がメタフェニレンジアミン化合物を含み、(b)が塩化トリメソイル化合物を含む、請求項71〜74のいずれかに記載の膜。
請求項76
多孔質支持体膜がナノ粒子を含む、請求項71〜75のいずれかに記載の膜。
請求項77
支持体が重合反応の前に約1時間保存されている、請求項71〜76のいずれかに記載の膜。
請求項78
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項71〜77のいずれかに記載の膜。
請求項79
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方が、溶液を最初に接触させる際によく分散されたナノ粒子を含む、請求項71〜78のいずれかに記載の膜。
請求項80
剪断、キャビテーション、又は衝撃力を用いて処理されたナノ粒子を粉砕又は部分的に溶解させて、界面重合混合物に寄与する可溶性金属種を最大にする、請求項71〜79のいずれかに記載の膜。
請求項81
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項71〜80のいずれかに記載の方法。
請求項82
多孔質支持体膜上で、(a)メタフェニレンジアミン(MPD)を含む水溶液;及び(b)塩化トリメソイル(TMC)及び加水分解TMC種を含む有機溶液;を接触させ;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む、高透過性RO膜を製造するための界面重合方法。
請求項83
(b)中のTMCとモノ加水分解TMCとの比が50:1〜15:1である、請求項96に記載の方法。
請求項84
TMC濃度が0.2〜0.6%(w/w)である、請求項82又は83に記載の方法。
請求項85
TMC濃度が0.3〜0.5%(w/w)である、請求項82〜84のいずれかに記載の方法。
請求項86
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項82〜85のいずれかに記載の方法。
請求項87
ナノ粒子が、混合物の重量を基準として、5%(w/w)のナノ粒子あたり少なくとも1ppmのアルミニウムを放出する、請求項82〜86のいずれかに記載の方法。
請求項88
(b)が、(b)中の全トリメソイル種を基準として少なくとも0.05重量%のモノ加水分解TMCを含む、請求項82〜87のいずれかに記載の方法。
請求項89
MPD/TMCの濃度比が5〜35である、請求項82〜88のいずれかに記載の方法。
請求項90
MPD/TMCの濃度比が5〜25である、請求項82〜89のいずれかに記載の方法。
請求項91
MPD/TMCの濃度比が30〜35である、請求項82〜89のいずれかに記載の方法。
請求項93
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項82〜92のいずれかに記載の方法。
請求項94
多孔質支持体膜上で、(a)メタフェニレンジアミン(MPD)を含む水溶液;及び(b)塩化トリメソイル(TMC)及び加水分解TMC種を含む有機溶液;を接触させ;そして高透過性のRO膜を回収する;ことを含む界面重合方法によって製造される高透過性逆浸透膜。
請求項95
(b)中のTMCとモノ加水分解TMCとの比が50:1〜15:1である、請求項110に記載の方法。
請求項96
TMC濃度が0.2〜0.6%(w/w)である、請求項94又は95に記載の方法。
請求項97
TMC濃度が0.3〜0.5%(w/w)である、請求項94〜96のいずれかに記載の方法。
請求項98
溶液(a)及び(b)の少なくとも一方がナノ粒子を含む、請求項94〜97のいずれかに記載の方法。
請求項99
ナノ粒子が、混合物の重量を基準として、5%(w/w)のナノ粒子あたり少なくとも1ppmのアルミニウムを放出する、請求項94〜98のいずれかに記載の方法。
請求項100
(b)が、(b)中の全トリメソイル種を基準として少なくとも0.05重量%のモノ加水分解TMCを含む、請求項94〜99のいずれかに記載の方法。
請求項101
MPD/TMCの濃度比が5〜35である、請求項94〜100のいずれかに記載の方法。
請求項102
MPD/TMCの濃度比が5〜25である、請求項94〜101のいずれかに記載の方法。
請求項103
MPD/TMCの濃度比が30〜35である、請求項94〜101のいずれかに記載の方法。
請求項104
除去率が少なくとも99.5%であり、流束が少なくとも40gfdである、請求項94〜103のいずれかに記載の方法。
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